【 Podcastで番組を聴く 】
--------------------
#31「長野県長野市」【2019.10.29放送】
長野県長野市鬼無里(きなさ)地区。
「鬼の無い里」と書いて、「きなさ」と名付けられたこの地区は、
地名の由来となった鬼女(きじょ)紅葉(もみじ)伝説で知られているほか、
義仲ゆかりの伝承も数多く残されています。
一つ目は、本殿が国の重要文化財に指定されている白髯神社(しらひげじんじゃ)。
義仲が、平家打倒のため挙兵し、北陸に向けて軍を進めるにあたり、
この地で戦勝を祈願したと伝えられています。
初夏になると花菖蒲が咲き誇り、神社の脇を流れる沢ではホタル観賞が楽しめます。
美しい光を放つゲンジボタルとヘイケボタルが同時に飛び交う
”源平合戦”をみることができるかもしれません。
二つ目には、「木曽殿(きそどの)アブキ」と呼ばれる大きな岩穴。
間口が60メートル、奥行20メートルに及び、義仲がこの地を訪れた際、
この岩穴で300の騎馬を休ませたといわれています。
このほか、義仲を守護する仏、文珠菩薩像(もんじゅぼさつぞう)を祀り、
武運を祈ったとされる文珠堂(もんじゅどう)、
木曾四天王の一人である今井兼平の守護仏である日不見(ひみず)観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)を祀る、
山角(やまずみ)観音堂などもあります。
高い志をもって乱世を駆け抜けた義仲。深い谷に囲まれながら、
数多くの伝説が代々受け継がれている「鬼無里」地区で
義仲の足跡に触れてみてはいかがでしょうか。