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#18「滋賀県高島市」【2019.7.30放送】
滋賀県北西部、琵琶湖の西側に位置する高島市。
この地域は、古くから京都、奈良の都と北陸を結ぶ交通の要衝として栄えてきました。
JRマキノ駅から徒歩30分ほどのところに、山吹御前ゆかりの寺、
「願慶寺(がんきょうじ)」があります。
山吹御前とは、義仲が打倒平家のため、信濃国で挙兵し、
京を目指した際、巴御前、葵御前と同じく、
義仲と行動を共にした武勇に優れた女性であったといわれています。
願慶寺では、義仲亡き後、山吹御前がこの地に移り住み、
越後に逃れる途中、この寺を訪れた親鸞聖人の教えを聞き、
出家して尼となったと伝えられています。
現在も寺の境内には、山吹御前ゆかりの老紅梅(ろうこうばい)が残され、
毎年、梅の花を咲かせています。
また、この辺りの山中集落には、巴御前の家臣たちが
住んでいたという言い伝えもあり、関わりの深さがうかがえます。
そのほか、この地区の海津大崎の少し手前の湖岸には、
「義経の隠れ岩」という伝承があります。
高さ1.7メートル、幅2メートルほどの、
かがんで人が隠れることができるくらいの穴があいた岩で、
義仲のいとこ、源義経が兄 頼朝に追われ、奥州平泉に逃れるとき、
この岩に身を隠したといわれおり、その様子は、
義経の謡曲「安宅(あたか)」の一節でも謡われています。