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『冬を越えて』

2021年12月8日

昨日は二十四節気の一つ「大雪(たいせつ)」でした。
まさに大雪の降る頃と言われています。
富山は先週の木曜日に初雪を観測して以来、雪は降っていませんが、
これからどんどん寒さが厳しくなっていきます。

今日もどんよりとしたおなじみの北陸の冬の空の色をしていますが、
この鉛色の空が続くことで、
冬は元気が出ない…という方もいるかもしれません。

冬には「冬季うつ」もありますしね。

日照時間が短くなると起きるとも言われているうつ病のことで、
悲しみや絶望感、過眠、過食などの症状があるようです。

また、季節と関係なく、人生そのものを四季にあてはめ、
良くないことが続いたときにも「冬の時代」と言うことがありますよね。
あなた自身は、今どの季節の状態でしょうか?
また、これまで何回、人生の冬を経験してきたでしょうか。

今日ご紹介する本は、そんな「冬の時代」を過ごす
40歳の女性の「人生体験記」です。

『冬を越えて/キャサリン・メイ 訳:石崎比呂美』


この本は、イギリスでは去年2月に発売され、
11月にコロナ禍のアメリカで発売されたところ話題になり、
『ニューヨーク・タイムズ』のベストセラー入りを果たしたそうです。
そして、現在では20を超える国での出版が決まっている世界的な話題作です。

著者は、ロンドン近郊の町に住む女性です。

四十歳を目前にストレスから仕事を辞めることにした直後、
夫が病気で倒れてしまいます
その後、自分自身も体調を崩し、
さらに息子も不登校になってしまうなど、
まさに冬の時代を過ごしています。

著者によると、人生の冬は突然やってくることもあれば、
ゆっくり忍び寄ることもあるそうです。
そして、その冬を避けることはできないのだとか。

でも、著者は10代の頃から冬の過ごし方を学んでおり、
冬がやってきそうな頃にはわかるようになったそうです。

では、冬の時代がやってきてしまったとき、どうすればいいのかというと、
春が来るまで、できるだけ快適に冬を乗り切る方法
を見つけることが大事なのだとか。

冬がやってきてしまった著者は、
冬をよく知る人たちと話をし、冬に対する理解を深めていきます。

たとえば、家で静かに手を動かす仕事もいいそうで、
編み物にはヨガと同じくらい血圧を下げ、
慢性痛を緩和する効果もあるそうです。

冬季うつの方からは、家じゅうの電球をすべて明るいものに変えて、
点けっぱなしにしているという話を聞きます。

また、話を聞くだけでなく、どうやって冬をしのぎ、春を迎えるのか、
著者自身、実際、色々試していきます。

アイスランドに旅に行ってサウナに入ってみたり、
真冬の海に入る冷水浴をしてみたり。

とは言え、冬の時代を快適に過ごす方法は人によって違います。
ですから、この本でも「こうすれば絶対に元気になる!」
というような決めつけはしていません。
だからこそ信頼できますし、読んでいて疲れません。

今まさに、冬の時代を過ごしている方は、
あなたは自身の方法で心と体をいたわってみませんか。
この本を読むのも、ひとつの方法かと思います。

そうそう!

「冬の時代」というと、
まるで冬が悪者のように思えてしまいますが、
悪いことだけではありません。

冬は考えを深め、身体を休める時期であり、
暮らしを整え、英気を養うための季節だと著者は言います。
冬の木も死んでなどいない。春に備えているだけだと。

また、すべてが壊れるときは、なんでも手に入れるチャンスで、
それこそが冬の贈り物だと言います。

冬の時代を過ごしている方は、
読んだ後、すこ〜し春が近づいたように感じられるのではないかしら。

気になる方は、無理せずご自身のタイミングで読んでみてくださいね。

yukikotajima 12:27 pm