『すばらしい人体 あなたの体をめぐる知的冒険』
2021年11月3日
コロナ禍以降、健康への意識が高まった方もいらっしゃるのでは?
私もそんな一人です。
去年一年間の運動不足の結果、体重がじわじわと増え、
これではいかん!と思って運動を再開しました。
最近は、11月7日の富山マラソンに向けて練習をする日々を送っています。
あー、いよいよだ!緊張する〜。
富山マラソンへの参加を決め、トレーニングをするようになってから、
自分の体についても考えるようになりました。
今日ご紹介するのは「人体のしくみ」について書かれた本です。
『すばらしい人体 あなたの体をめぐる知的冒険
/山本健人(やまもと・たけひと)【ダイヤモンド社】』
こちらは、9月1日の発売以来、発行部数が8万部を突破したという話題作です。
著者の山本健人さんは、現役の医師です。
また、「外科医けいゆう」としてSNSやブログで情報を発信しています。
Twitterのフォロワーは8万人という人気のお医者さまです。
山本さんによると、医学を学ぶことは、途方もなく楽しくて、
知れば知るほど、学ぶことの楽しさが増していくそうです。
そして、この学ぶこと知ることによる興奮を多くの人に味わってもらいたい!
と思ってこの本を書かれたそうです。
確かに、文章から山本さんのワクワク感が伝わってきました。
私は山本さんにお会いしたことはありませんが、
目をキラキラ輝かせながら文章をお書きになっていたのがわかりました。
医学の本と言うと、知らない&難しい言葉だらけで
頭の中に全く文章が入ってこないイメージでしたが、
この本は、まるで山本さんのお喋りを聞いているかのごとく、すいすい読めました。
もちろん知らない言葉もたくさん出てくるのですが(笑)、
実際に読者に「こうやってみて!」と自分の体で実験させたり、
難しい話もわかりやすい例えを交えながら説明しているので、
飽きずに読み進めることができるのです。
実験の例をいくつかあげますね。
2本のペン先を体の表面に当てて、その間の距離を縮めていくと、
ある距離から「二点で触れられていること」がわからなくなるのだとか。
また、右手で握りこぶしを作って親指を立てて、
目をつむって、何も見ずに左手で右手の親指をつかんでみる実験もあります。
こちらはすぐにできますので、ぜひやってみてください。
どうですか。きっと簡単につかめたのでは?
こんな感じで実際に試しながらなので理解もしやすいのです。
ちなみに、今挙げた2つの理由については、本を読んで確かめてくださいね。
他にも、高温多湿の夏に食べ物は腐るのに、なぜ人間は腐らないのかとか、
医師のガウンは白ではなく水色である理由とか、
医療ドラマでよく出てくる「メス」は意外に使わないとか、
興味がわきやすい話題が多いのです。
ちなみに、手術に使われる金属製の器具には、人物名のついたものが多いそうです。
日本語なら「田島!山口!」などど呼び続けているようなものなんですって。(笑)
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さて、『すばらしい人体』は、5つの章にわかれています。
まずは、人体の構造がいかによくできているかから始まり、
その美しい人体がどのような経緯で「病気」という状態に至るのか、へと続きます。
そのほか、医学の偉人たちの功績や、最新の健康の常識、
医学に進歩をもたらした科学技術などの章もあります。
私が特に好きなのは、偉人たちの物語です。
偉人たちがどのように病気や治療薬を発見したのかが綴られているのですが、
ノーベル賞を受賞した人たちがいる一方で、
世界で初めて真実にたどり着いたのに
その功績が認められなかった天才医師も少なくないんですって。
誰よりも先取りし過ぎて誰にも理解してもらえなかったのです。
『すばらしい人体』は、医学に関する知識を得る面白さがあるのはもちろん、
読み物としても大変面白い一冊でした。
読んだ後は、日々頑張っている自分の体に対して
「いつもありがとう!」とねぎらいたくなりましたし、
大切にしていきたいとも思いました。
あなたも「人体のしくみ」について楽しく学んでみませんか?