『きみの瞳が問いかけている』『とわの庭』
2020年12月2日
先日、映画『きみの瞳(め)が問いかけている』を鑑賞しました。
話題の『きみのめ』です!
実は11月末までの鑑賞チケットを持っていたことをすっかり忘れていて、
先日あわてて見に行ったのでした。
なんてことをgraceの月曜火曜担当の垣田さんにお話したら、
垣田さんも全く同じことをしていました。
しかも見た作品まで同じでした。(笑)
映画はとても良かったです。
久しぶりに王道の恋愛映画を見たのですが、王道の安心感っていいですね。
王道最高〜!
映画を見たあとの私の心は、瑞々しい映画の世界のように清らかな気持ちでした。
とても美しい映画でした。
主演の横浜流星さんもずっと見つめていたくなるほどの美しさでした。
私が10代だったら部屋にポスターを貼っていたに違いない(笑)。
今までは、ドラマ『初めて恋をした日に読む話』のピンク髪の不良高校生の
ゆりゆり(役名)が一番のはまり役だと思っていたけど、
この映画の塁(るい)も良かったです。
塁はある出来事から夢を失くしてしまうのですが、
横浜さんは影のある役が似合いますね。
一方、相手役の吉高由里子さんは明るいキャラクターが合っていました。
吉高由里子さん演じる明香里は、事故で視力を失くしてしまいます。
でも、目が不自由でありながらも、一人で暮らし、仕事もしています。
何より明るくかわいい女性です。
『きみのめ』は、そんな夢を失くした男性と
視力を失くした女性の恋模様が描かれた
王道のラブストーリーです。
若い方だけでなく、大人の女性の皆さんもぜひ。
きっと心が満たされると思いますよ〜♪
◎映画の公式サイトは コチラ
***
かわっては本のお話です。
ご紹介する本の主人公の女性も
映画『きみのめ』と同じく視覚障がい者です。
『とわの庭/小川糸(新潮社)』
ちなみに、映画『きみのめ』と、この小説は全く別の作品です。
ただ、どちらの主人公も目が不自由という点では、重なるところが多々ありました。
例えば、いずれの主人公も目が見えないので匂いや音で判断したり、
洋服選びはスマホを使って色や模様をチェックしたり。
とくにお花などの自然の匂いに敏感なのが印象的でした。
『とわの庭』も本のタイトル通り、庭の植物の匂いが感じられる作品でした。
主人公は「とわ」という女性です。
物語はとわの子どもの頃のお話からスタートします。
とわは目が見えなくてもママがいれば幸せでしたし、
ママもとわのことが大好きでした。
後半は大人になったとわの物語が描かれます。
とわがどのように大人になっていったのかは、
ぜひ本を読んでいただけたらと思います。
本当はその間のことを言いたいのだけど、我慢します。
この作品は、ネタバレを一切したくないタイプのお話なのです。
私はこの本のことを何も知らずに読んだので、途中かなりの衝撃を受けました。
読んでいる最中は、喜怒哀楽のすべての感情が入り混じっていました。
こんなにも感情が揺さぶられることになるなんて!
というくらいに気持ちが動き、さらに何度も涙がこぼれました。
でも、読み終えた後は穏やかでした。
そもそも私が『とわの庭』を読んでみたいと思ったのは、
小川糸さんの新作だったからです。
小川糸さんと言いますと、今年春に
『ライオンのおやつ』をラジオでご紹介しました。
本屋大賞の2位にもなった話題作です。
◎『ライオンのおやつ』の感想は コチラ
余命を告げられた女性が人生の最後に過ごした
ホスピスでの日々が綴られた小説で、涙が止まりませんでした。
今年一番泣いた作品です。
『とわの庭』は、そんな小川糸さんの新作ということで、
きっといいに違いない!と思って、中身は一切確認せずに読み始めたのでした。
実際とても素敵な物語でした。
淡い黄色の本の表紙を見ると穏やかそうな雰囲気ですが、
「とわ」の人生には色々なことが起こります。
でも、とわはいつでも前向きです。
なぜなら彼女はたくさんの人やモノから力をもらっていたから。
ママが読み聞かせてくれた物語に、ピアノの音、そして大好きな友達など。
この本を読んで私は、とわちゃんから力をもらいました。
***
『きみのめ』と『とわの庭』は、いずれも視覚障がい者が主人公です。
内容は全然異なりますが、主人公2人に共通しているのは、
2人とも前向きで明るいということと、丁寧に暮らしていることです。
偶然とはいえ、これら二つの作品を同時に味わって、
目が見える私のほうが、実際は見えていないことが多いのかもしれない、
と思いました。
どちらもいい作品でした!