『一人称単数』
2020年8月5日
先日、紀伊國屋書店富山店で書店員の方に今どの本が人気かお聞きしたところ、
先日芥川賞を受賞された富山生まれの高山羽根子さんの『首里の馬』と
やはり、こちらですねーと教えて頂いたのが、
村上春樹さんの新作『一人称単数(文藝春秋)』でした。
表紙が青と緑に白の帯なので、
本が並ぶ一帯が大変爽やかな雰囲気になっていました。
今日は、紀伊國屋書店富山店の奥野晃英さんのオススメ本です。
まずは、奥野さんのコメントです。
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日本だけで無く、世界中で話題となる
村上春樹さんの新作『一人称単数』が発売されました。
短篇小説集としては『女のいない男たち』から6年ぶり、
小説は『騎士団長殺し』から3年ぶりの刊行です。
8人の「僕」「私」が紡ぎ出す精緻な8作の短編集です。
皆さんも新しい村上春樹ワールドに浸ってみませんか?
ただ今、当店新刊台で好評発売中です。
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『一人称単数』は、8つのお話が収録された短編集です。
最初のお話の一行目から春樹節全開で、思わずニヤリとしてしまいました。
また、読み進めるうちに、これは村上春樹さんのエッセイなのでは?と思えてきました。
どのお話もまるで村上春樹さんが体験した不思議な出来事を
こっそり明かすかのような内容なのです。
例えば、群馬の小さな温泉宿に泊まった時のお話は、
その宿で働く猿とのやりとりが描かれています。
風呂場では猿に背中を流してもらい、風呂上りには一緒にビールを飲みます。
猿が働いていることにもびっくりですが、
なんとこの猿、人間と同じように喋れるのです。
また、ジャズミュージシャンのチャーリー・パーカーが生き延びて
ボサノヴァ音楽に興味を持ち、もしそれを演奏していたら…
と想定して架空のレコード批評を書いた男性の物語もあります。
彼はある日、ニューヨークの中古レコード店で、あるわけのないレコードを見つけます。
と言ったちょっと不思議な物語が8つ収録されています。
どれも短いお話なので一気に読めてしまいますが、
毎晩一話ずつ楽しんでいくのもいいかもしれません。
とても読みやすい短編集ですので、
村上春樹さんの作品はちょっと難しそう…
と思っている方もよかったら読んでみてください。
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<紀伊國屋書店富山店からのお知らせ>
現在、店内中央イベントスペースでは様々なイベントを行っています。
「鬼滅の刃」特別グッズコーナー
ただいま、大ブームを巻き起こしている『鬼滅の刃』グッズ
を一堂に集めた特別コーナーを展開中です。
コミック全巻は勿論、カッコイイものから可愛いものまで
様々なグッズを取り揃えております。
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「紀伊國屋書店オリジナルトートバッグ」販売中
7月1日からのレジ袋有料化に伴い、
買い物用トートバッグが生活必需品となりました。
紀伊國屋書店にもオリジナルのトートバッグがあります。色は5種類です。
また、以前から販売している白のトートバッグも再入荷致しました。
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夏の自由研究フェア
今年も自由研究で楽しめる書籍・キットフェアを開催中です。
工作や実験、お菓子作りの本まで
お家でも出来て、家族でも楽しめるものが勢ぞろいしています。
一度しかない夏、ご家族の皆さんで笑顔になれる一冊を探してみませんか?
こちらは8月末までの開催です。
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<紀伊国屋書店富山店>
住所: 富山市総曲輪、総曲輪フェリオ7F
電話番号: 076-491-7031
営業時間: 10:00〜20:00
◎HPは コチラ
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