2『最後の恋—つまり、自分史上最高の恋。』
2009年1月12日
最後の恋—つまり、自分史上最高の恋。(新潮文庫) 』を読みました。
著者は、8人。
三浦 しをんさん、
谷村 志穂さん、
阿川 佐和子さん、
沢村 凛さん、
柴田 よしきさん、
松尾 由美さん、
乃南 アサさん、
角田 光代さん。
8人の女性作家の皆さんが「最後の恋」をテーマに短編小説を書いています。
まず、三浦しをんさんの『春太(はるた)の毎日』を読んで、
思わず「当たり!」と口に出してしまいました。買ってよかった!
興奮で心臓の鼓動がドクドク早くなっていくのがわかりました。
わかる人にだけわかればいい、といった、
映画の単館系っぽい雰囲気なのかなぁと思っていたら・・・。
心地いい裏切りが私を待っていました。
その次の谷村志穂さんの作品もよかった。
なんとなく結末が想像できるのだけど、それでも、読まずにはいられない。
知りたくないけれど知りたい。そんな人間の本質が刺激されました。
その後に続く、どの作品も本当によかった。
短いけれど、どの作品も存在感があります。
だから、私は、1日1作品しか読みたくなかった。
私は、1冊を一気に読むのが好きなのですが、この本は、そうしたいとは思わなかった。
一つ一つのストーリーを振り返りながら、ゆっくりと理解していきたいと思いました。
私が中でも好きな作品は、
『海辺食堂の姉妹(阿川佐和子)』と『LAST LOVE(柴田よしき)』です。
もともとお2人の作品は好きなのですが、
どちらの作品も、読み終えた後が気持ちよかった。
雨上がりの空のようにキラキラしていました。
具体的に、ここがいい!と言いたいのですが、
それだと、ネタバレになってしまうので言いたい気持ちを我慢してます。
でも、私の解釈で、ほんの少しだけご紹介すると、
『海辺〜』は、2人で海辺の食堂を営む姉妹のお話。
姉目線で話が進んでいきます。
社交的な姉は、人づきあいが苦手な妹のことを気にかけ、
なかなか自分の恋愛もままなりません。
そんなある日、妹が倒れ、ある男性が妹のお見舞いにやってきて・・・。
姉は、あることに気づかされます。さて、お姉さんは何に気づいたのでしょう?
『LAST〜』は、大好きな人に裏切られた女性が、
愛していないけれど、条件的にOKの男性と婚約します。
そんな時、その元彼の離婚を知ります。
さて、主人公の女性は、どんな選択をするのでしょうか?
8作品ともに、皆、最後は、自分の本心に気づきます。
その、気づいた時の反応、心の動きが手にとるようにわかり、
読んでいる私まで心がすっきりしました。
本の帯に「いつかのあなたがいます」とありました。
うん。たしかにいました。
まぁ、どの主人公かは秘密ですけどね。(笑)
あなたはどのタイプかな〜?