1『私たちの好きな源氏物語』
2009年1月5日
2009年の1冊目を読みました。
正確には去年から読みかけの本を読み終えたのですが。
私が読んだのは『私たちの好きな源氏物語(別冊宝島編集部編)』です。
2008年は『源氏物語』が世に出て1000年の千年紀ということで、
『源氏物語』に触れる機会が多い1年でした。
私も高校時代に一度はまった『源氏物語』を、もう一度読んでみようと、
まずは、マンガ『あさきゆめみし』を読み直すことからはじめ、
瀬戸内寂聴さんの講義録『寂聴と読む源氏物語』を読み、
そして、この本『私たちの好きな源氏物語』を読みました。
一言で言うなら、この本は、参考書のような1冊です。
源氏物語ゆかりの地、
源氏物語の住まいやファッション、
源氏物語を扱った小説やコミックの紹介、
登場人物の紹介などが載っています。
「あさきゆめみし」を読んで、この本を読むと、かなり『源氏物語』が理解できると思います。
また、源氏物語のディープナファンによる「源氏物語」の恋語りが結構面白い。
源氏物語の中の「恋物語」をセレクトし、どの恋が一番好きかを語っています。
皆、自分自身と重ねて。
素直になれず意固地になってしまったり、
相手の気持ちを考えず、自分の気持ちをおしつけてしまったり、
相手の裏切りに涙したり恨んだり、
奔放に恋を楽しんだり・・・。
今と一緒ですね。
私は、『源氏物語』の、
勘違いしたり、間違ったり、情けなかったり、ずるかったり・・・、
そういう人間のダメなところをちゃんと描いているところが好きです。
どこか遠い国の王子様とお姫様のお話ではなく、
自分も登場人物の1人になれそうな「近さ」が、
たくさんの人に愛される理由の1つかもしれませんね。
よく、源氏物語が、登場人物が多すぎてイヤだ、という人もいますが、
私は、だからこそ面白いと思う。
自分に近い人を探し、共感するのも楽しいし、
まったく自分には無い考えを知ることもできます。
今後も、『源氏物語』関連の本を、少しずつ読んでいけたらな、と思います。
きっと、読んだ時の精神状態や置かれた状況によっても、
全く異なる感想を持つのだろうな。