富山地方鉄道殺人事件
2019年1月23日
あなたは黒部峡谷のトロッコ電車に乗ったことはありますか?
私は去年の春、久しぶりに乗りました。
東京から来た友人たちと一緒に乗ったのですが、
新緑のまぶしいほどの緑も黒部川のエメラルドグリーンも
新鮮な空気も全てが心地よく、
あらためて黒部峡谷の魅力を堪能しました。
また、友人たちも楽しんでくれました。
県外から友人や家族が遊びに来たら
また是非連れて行きたいな。
というか、私がまた行きたい。(笑)
実際、富山の観光スポットとして人気ですが…
その黒部峡谷でなんと殺人事件が起きたそうなのです!
えーーー!!!
あ、でも小説の中の出来事です。。。
驚かせてしまい、ごめんなさい。
今日ご紹介する本は、
西村京太郎さんの『富山地方鉄道殺人事件(新潮社)』です。
おなじみ、十津川(とつがわ)警部の長編トラベルミステリーの最新刊です。
十津川警部シリーズというと、テレビドラマでおなじみです。
これまで、渡瀬恒彦さんや内藤剛志さんが演じていらっしゃいます。
先日、紀伊國屋書店富山店に行ったら、
こちらの本がずらっと並んでいて、かなり目立っていました。
文芸担当の書店員さんにお聞きしたところ、
「今富山で旬といったらこの本です!」
とご紹介いただきましたので、早速読んでみました。
おなじみの富山がたくさん出てくるので映像が頭に浮かびやすく、
まるでテレビドラマを見ている気分で読むことができました。
また、地元の方たちにはおなじみでも
外の人からすると不思議に思えることなども書かれていて、
そういう意味でも楽しめました。
例えば、富山地方鉄道のことを地元の人たちは
「地鉄」と言いますが、駅名は「電鉄」です。
これ、去年の春、東京から遊びに来た友人からも同じことを言われました。
また、黒部峡谷鉄道から黒部ダムまで簡単に行けると思っている観光客も多いようです。
確かに地図で見ると近いですし、どちらも「黒部」とありますものね。
私も富山に来たばかりの頃はそう思っていました。
それから、新幹線の「黒部宇奈月温泉駅」は、
駅を降りても目の前に温泉街があるわけではない、とか。(笑)
富山に対する突っ込みが色々あって面白かったです。
***
『富山地方鉄道殺人事件』は、そんな富山が舞台になったお話です。
簡単にストーリーをご紹介しましょう。
若手官僚の男性が、「宇奈月から黒部への旅」と書き残して失踪します。
夫を心配した妻は宇奈月まで彼を探しに行きます。
そんな中、彼を知る女性新聞記者が、
黒部峡谷鉄道の終点、欅平で殺されます。
欅平に行くにはトロッコに乗っていくしかないので、
犯人は簡単にみつかりそうですが、
それがなかなか見つかりません。
いったい犯人はどこに潜んでいるのでしょうか?
富山県でおこった殺人事件ですが、
東京の大手新聞の記者が殺されたこともあり、
警視庁の刑事である十津川警部も富山にやってきます。
しかし、本当にそれだけの理由で十津川警部は富山にやってきたのか?
若手官僚の男性はどこに消えたのか?そもそもなぜ黒部にやってきたのか?
そして、彼を探しに来た奥さまは彼を見つけることができるのか?
など、読み始めてすぐに疑問が次々にわいてきます。
気になる結末は…
是非本のページをめくってみてください。
私は夢中になって読み進めていたら、あっという間に読み終えてしまいました。
ちなみに、十津川警部シリーズのことをあまりよく知らない方でも楽しめると思います!