暗殺者、野風
2017年6月21日
今日のキノコレ(grace内コーナー13:45頃〜)で
紀伊國屋書店富山店の奥野さんにご紹介いただく本は、
『暗殺者、野風(のかぜ)/武内涼(角川書店)』
です。
★ 奥野さんの紹介文は コチラ
★ 出版社の紹介ページは コチラ
私もこの本を読みました。
作者の武内さんは、私と同じ群馬出身。
この物語の前半は、まさに群馬が舞台となっていました。
戦国時代にも今の群馬と同じように空っ風が吹いていたようで、
主人公の野風が強風の中を歩きながら
どれくらい大変なのかが想像できました。
群馬らしい描写だけでなく
武内さんの文章は五感が刺激されます。
作品の中がよく見える。
というか、私自身が作品の中にいる気分になります。
戦国時代の刺客の物語なので、
スピード感のある戦いのシーンが続きます。
すると、文字を読むスピードがはやまって
つい読み飛ばしてしまいそうになりますが、
それではもったいない。
丁寧な描写をじっくり読めば
より鮮明に映像が浮かんできて、さらに楽しめます。
まるで気分は野風でした。
野風が見たもの、感じたことのすべてを
私も同じように体験していました。
野風は若く強い。
刺客としての強さだけでなくメンタルも強い。
野風がなぜこんなに強くなったのか。
それは最初のページを読めばわかります。
私は読んだ瞬間、怒りが湧きました。
え?こんな話?と1ページ目から、怒りスイッチがオン。
それは、野風も同じです。
その怒りを胸に野風は強くなっていきます。
野風がうまれたのは私と同じ、群馬です。
群馬の女性はやはり強いのかもな。
私も野風に負けないように強くならなければ!
いやいや、田島はもう十分強いから…
なんて声が聞こえたような?(笑)
野風は架空の人物のようですが、
上杉謙信をはじめ、実在の人物もたくさん登場します。
実際の歴史を変えることなく
架空の人物である野風がどのように大きな時代の流れに絡んでいくのか。
ぜひ本のページをめくって確かめてみて下さい。