Good old boys
2017年3月8日
あなたの職場に、日差しが強くなるこれからの季節の毎週月曜日、
日焼けがどんどん濃くなっていく人はいませんか?
それ、まさに俺だ!というパパさんもいらっしゃるかもしれません。
お子さんのサッカーや野球の練習や試合に
顔を出しているというパパやママは、
月曜の日焼け顔ですぐにわかりますよね。
そんな姿を見ると、いいパパなんだろうなあと微笑ましく思います。
今日ご紹介する本は、
少年サッカーチームに所属する子供たちを支える
父親たちの物語、
『Good old boys /本多孝好(集英社)』
です。
この作品は、 小学四年生のメンバー8人のパパたちによる8つの短編と
プロローグとエピローグで構成された連作短編集です。
この少年サッカーチームは、とにかく弱くて一度も勝ったことがありません。
でも、彼らはサッカーが大好きです。
そんな彼らのことを70歳を超える監督は、
「楽しそうにサッカーをやる才能がある!」
と言っています。
このサッカーチームは、勝つことよりも楽しんでやることを大事にしているのです。
辛いだけではサッカーを嫌いになってしまうから、楽しんでやってほしい。
そして、大人になってからもずっと続けてほしいと。
その教えの通り、
子どもたちは、誰一人文句を言わずのびのびとサッカーをしているのですが、
パパ達はいというと、その考えに共感しているパパもいれば、
もっとしっかりした方がいいとじれったく感じているパパもいます。
例えば、日本人女性と結婚したブラジル人のパパさんは、
日本のサッカーをあまりよく思っていません。
サッカーはもっと楽しむもの、という考えが体に染みついているからです。
そんなブラジル人のパパは、
サッカーの楽しさを教えてくれる素晴らしいチームだと思っています。
ところで、このサッカーチームにはなぜこうもパパしかいないのかというと、
父親の方が色々手伝えるからです。
ゴールの移動や球出しなどは男性のほうがいいということで、
パパさんたちが手伝っています。
そして、それぞれ子どもの名前に「パパ」をつけた呼び方で呼び合っています。
ユウマパパ、ユキパパといった具合に。
子どもたちを見守るパパたちは、
程よい距離感の中でうまく大人な関係をキープしていますが、
パパと子どもの関係性は、家族ごとに微妙に異なります。
パパたちも一人の人間です。
それぞれが悩みを抱えています。
奥さまや息子さんとの関係もそれぞれです。
この物語には、そんな8人のパパ達の本音が綴られています。
まさに今小学生の息子さんがいるパパさんたちは、
より共感できるんじゃないかしら?
女性目線で見ると、そのプライド何?なんだその言い訳?
たよりないなーと思わずにはいられないところもあるけれど(笑)、
でも、みんな憎めないパパさんたちでした。
本の帯にはこうありました。
「すべての頑張るお父さんと子どもたちに、あたたかなエールを贈る一冊」
そうそう、この本は家族の前では読まない方がいいかも。
私は、泣けてしかたなかったです。
気持ちはこのチームの子どもたちの母の気分でした。
(子どもはおろか結婚もしていないというのに…笑)