おんなの城
2016年12月14日
今年のNHK大河ドラマ『真田丸』、ご覧になってますか?
いよいよ今度の日曜日、最終回ですね。
私も毎週見ていましたので
終わってしまうことに寂しさを感じつつも
来年の大河ドラマにも期待しています。
2017年は『おんな城主 直虎(なおとら)』です。
戦国時代に男性の名前で家督を継いだ女性、
井伊直虎(いい・なおとら)の物語で
主人公の直虎を柴咲コウさんが演じます。
今日ご紹介する本は、
この直虎をはじめ、
戦国時代にそれぞれの方法で城、
つまり家を守ろうと戦った
3人の女性の物語が収録された
『おんなの城(文藝春秋)』です。
著者は、2013年に『等伯』で直木賞を受賞した安部龍太郎さんです。
戦国時代、女性にとっての結婚は政略結婚がほとんどでした。
嫁入りとは、すなわち人質であり、
結婚は幸せなものではありませんでした。
でも、女性たちはつらい状況の中でも
自らの運命を受け入れ、強く生きていきました。
この本に出てくる3人の女性たちも
男性の言いなりになっているだけではなく、
自分にとって何が正しい選択なのかしっかり考えた上で
自分の人生を選び取っています。
実際、『おんなの城』に登場する一人の女性は信長に逆らっていますしね。
あの、信長にですよ!
3つある物語のうち、私が一番好きなのは
来年の大河ドラマの主人公、井伊直虎の物語です。
ちなみに直虎は名前は男性ですが、女性です。
女性でありながら父の跡を継いで当主となるのですが、
この直虎がとにかくかっこいいのです。
女性の自分がいきなり一族を率いていかなければならなくなり、
不安で押しつぶされそうになるものの、
他人には決して弱みを見せず冷静に判断していく様のなんと凛々しいことか。
惚れ惚れとします。
もちろんかっこいいだけでなく、
女性としての柔らかさや心配りもあります。
とは言え、できる女性は、男性から煙たがられがちですが、
直虎は、男性からも好かれます。
まあ、中にはアホな男もいますが。
ちなみに、家康には信頼され、さらに愛されます。
しかも家康は年下です。
つまり、直虎は人としてかっこいいだけじゃなく
女性としても魅力的ということです。
素敵すぎません??
そうそう!
『おんなの城』は戦国時代の女性たちの物語ですが、
今の時代とも重なる部分が多々ありました。
女性の悩みは、いつの時代も変わらないのかもな。
理不尽なことばかりの戦国時代に
女性たちがどのように生き抜いたのか、
本のページをめくって確かめてみて下さい。
きっと戦国時代の女性たちから力をもらえると思います!
また、この本を来年の大河ドラマの予習も兼ねて読んでみるのもいいかも。
私はこの本を読んで大河ドラマを見る楽しみが増しましたもの。
それから、この本には戦国時代の能登の物語もあるのですが、
なんと越中射水の武将、神保 長職(じんぼ・ながもと)も出てきます。
また、安倍さんの直木賞受賞作『等伯』の主人公、長谷川等伯も登場しますので、
富山にお住まいの皆さんはもちろん、
『等伯』ファンの皆さんも楽しめると思います!
12月の忙しい時期に本なんて読む暇ないよー
という方でもご安心ください。
この本は、短めの作品が3篇収録されていますので、
少しずつ読むことができます。