総選挙ホテル
2016年7月13日
突然ですが、今、会社に属してお仕事をされている方に質問です。
あなたが働く部署は自分に合っていると思いますか?
もう一つ質問。
同じ部署のメンバーの顔を思い浮かべてください。
7人メンバーがいるとして、
今の部署に相応しいと思う人を5人選んでください。
他の部署から選んでも結構です。
ちなみに選ばれなかった2人はどうなるのかというと、
会社を辞めていただくことになります。
ということを突然社長から言われたらどうしますか?
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今日ご紹介するのは、まさにそんな従業員総選挙が行われたホテルの物語です。
『総選挙ホテル/桂望実(角川書店)』
桂望実(かつら・のぞみ)さんと言いますと、原作が次々に映画化されています。
映画化された作品には、
黒木瞳さんが監督をつとめた映画『嫌な女』、
織田裕二さん、柴咲コウさんが出演した映画『県庁の星』
などがあります。
他に桂さんの作品と言いますと、
以前ラジオで『ハタラクオトメ』という作品をご紹介しました。
★ 私の『ハタラクオトメ』の紹介は コチラ
プライドの高い男性たちの嫌がらせに負けず、
新製品を開発していくOLたちの物語です。
今まさに職場で男性に対して嫌な思いを感じている女性の皆さんは、
この本を読んでみて下さい。
仕事終わりにジョッキのビールを
ぐびぐびっと飲み干したのと同じくらいの爽快感があります!(笑)
***
さて、今日ご紹介する桂さんの最新作もお仕事小説です。
その名も『総選挙ホテル』。
従業員総選挙が行われたホテルの物語です。
売り上げが落ち込む中堅ホテルに新しい社長がやってきます。
新社長は大学で社会心理学を教えていたという元教授で、
性格はだいぶ変わっています。
もちろんホテルを経営したことなどはありません。
そんな新社長が突然、従業員総選挙を行うことを打ち出します。
落選した従業員は解雇。
当選した従業員も部署が変わるかもしれない。
管理職の投票ももちろんやるよ!
という人材シャッフルを行います。
新体制になったホテルは果たして業績アップとなるのか?
というお話です。
***
選挙と言えば、つい先日、参議院選挙が行われましたので、
皆さんも候補者に投票したと思いますが、
投票はしても投票されることというのは、
人生においてそんなにないのでは?
票を集めたいと思った時、人はどんな行動に出ると思いますか?
崖っぷちに立たされた時こそ人は本性が出るものです。
この本に出てくる人の中にも
自分に投票するよう脅したり、
人の悪い噂を流したりする人が出てきます。
その一方で、誰を選ぶべきかを考えた時、
一人一人のいいところに目を向けるようになります。
そして、気付くのです。
これまでは、その人のダメなところばかりが気になっていたけど、
見方を変えると、いいところもたくさんあるな、と。
なんか、ちぐはぐ感がぬぐえないという会社は、
思い切って人材シャッフル!従業員総選挙をしてみてもいいかも。
まあ、実際は総選挙なんてなかなかできないかもしれませんが、
でも、この本から学ぶことはたくさんあると思います。
私は人の悪いところばかりでなく、
いいところを見ていきたいなと思いましたもの。
そして、いいなと思ったことは本人に伝えていきたいなと。
やはり褒められると嬉しいものね!