我が家のヒミツ
2015年10月14日
今日ご紹介するのは、早く読みたい!と発売が待ち遠しかった
奥田英朗さんの最新作『我が家のヒミツ』です。
本屋さんで購入後まっすぐ帰宅し、すぐに本のページを開きました。
今回もとてもいい作品でした!!!
笑って、泣いて、鼻をかんでの繰り返しで、
読み終えたとき、心はじんわりあたたかく、優しさで満たされていました。
プラス、ティッシュがあふれていました。(笑)
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それでは、簡単にどんな作品がご紹介しますね。
『我が家のヒミツ』は、奥田英朗さんの「平成の家族小説シリーズ」の
『家日和』、『我が家の問題』に続く第3弾です。
これまでの作品は、いずれも以前ラジオ&ブログでご紹介しています。
*『家日和』の感想は コチラ
*『我が家の問題』の感想は コチラ
今回も短編集となっていますので、
過去の作品を読んでいなくてももちろん楽しめます。
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今回の『我が家のヒミツ』には、6作品がおさめられています。
たとえば・・・
・どうやら自分たち夫婦には子供が出来そうにないと感じ始めた夫婦の話
・実の父に初めて会いに行く女子高生の話
・母の急逝を機に実家暮らしを再開した息子の話
・妻が市議会議員選挙に立候補すると言い出した夫の話
などです。
女子高生が実の父に初めて会いに行くお話は、
12歳になった時に、父親だと思っていた人とは別に
実の父親がいることを知り、
16歳になったのを機に会いに行くというものなのですが、
実の父に会ったことで、彼女の気持ちがいろんな意味で動き出します。
彼女の心はどう変化したのか?
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奥さまが突然、選挙に出る!と言い出すお話は、
これまでのシリーズに毎回登場する小説家の男性の物語です。
今回も奥さまに振り回されてしまいます。
読者である私も、夫目線で読みながら、
なんとやっかいなことに巻き込まれたことか、
と思ってしまうのだけれど、気付いた時には、涙。
この作品が短編集の最終話なのですが、完璧な読後感を与えてくれます。
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ああ、今回も読んでよかった、と心から思えました。
優しさと笑いに満ちた、とてもあたたかな短編集でした。
最近、優しさに触れてないという方は、
是非『我が家のヒミツ』を読んでみて下さい。
2,000円弱で心が満たされるだなんてお安くないですか?
平日夜にヤケ酒飲みながら愚痴を言う時間とお金を
たまには、読書にまわしてみませんか?
家族の前で読むのが恥ずかしければ、
夜遅くまであいているカフェなどで
コーヒー飲みながら読んでみては?
帰宅後は、きっといつもよりちょっとだけ
家族に優しくなれると思います。
そして、この本を読んでよかった!
と思われた方は、是非このシリーズの他の本も読んでみて下さい。
『家日和』、『我が家の問題』は、
いずれも文庫化されていますので、よりお求めやすくなっています。
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私もこの秋は、奥田さんの過去の作品をもう一度読んでみようかな、久しぶりに。
笑いと優しさとゆるさのバランスが最高の奥田ワールドは、秋の夜長にぴったりです。