東京23話 名古屋16話
2015年9月2日
今日のキノコレ(grace内コーナー13:45頃オンエアー)で
紀伊國屋書店富山店の奥野さんにご紹介いただくのはこの2冊です。
・山内マリコさんの『東京23話』
・吉川トリコさんの『名古屋16話』
いずれもポプラ社から出ている姉妹本です。
詳しくは、奥野さんの紹介文をお読みください。
★ 奥野さんの紹介文は コチラ
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実は先日、富山でお二人のトークショーがあり、私も行ってきました。
女子高生のごとく無邪気にケラケラ笑いながら、
ざっくばらんにお話になる様子は、
お二人のかざらない人柄がにじみ出るトークショーでした。
そして、お話の内容はいろんな意味で大人でした。(笑)
本も2冊とももちろん読みました!
いずれも街のお話ですが、街の取り上げ方が異なるため、
2冊ともまったく別のお話として楽しめます。
ですから、1冊読めばいいや、で終わらせてしまうのはもったいない!
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『東京23話』
まず、山内さんのほうは、なんと東京23区それぞれに人格があり、
まるで人のように喋り出すというものです。
千代田区はスクエアな考え方しかできないし、
渋谷区はギャルだし、
江戸川区は・・・文章がカタカナ!(笑)
本を読みながら頭の中でキャラ変換していく面白さがあります。
朗読をしようもんなら大変ですが。
いや、逆に勉強になるかも!
地方の人たちの中には、
「東京は高層ビルが立ち並び、そこに住む人はみなクール。東京はコワイ!」
といった印象をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
でも、この本を読むと、その印象がガラリと変わるんじゃないかしら。
だって、ぬくもりありますもの。温度を感じます。
ぶっきらぼうなところもかわいく思えてくるほどです。
ほっとけなくなります。
東京のことはあまりよくわからないという方でも楽しめると思いますよー。
また、この本には付録として「東京地図案内」がついており、
東京のガイドブックにもなります。
なんてお得!
この秋、早速シルバーウィークに北陸新幹線に乗って東京に行く予定の方は、
お出かけ前にこの本を読み、
さらにガイドブックとしてこの本を持って
東京におでかけになってみてはいかがでしょう?
まるでなつかしい知り合いに会いに行く気分を味わえるかも。
ところで、著者の山内さんは、皆さんもご存知のとおり、富山出身です。
ということで、「富山」の街の小説も書いてと富山の皆さんから言われているそうでよ。
確かに読んでみたい!
でも、山内先生お忙しいからなあ。
首を長〜くして、富山の街が語り始めるのを待ってみようかしらね。
でも、富山は恥ずかしがり屋さんだから、、、少し時間がかかるかな?(笑)
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『名古屋16話』
もう一方の『名古屋16話』は、
名古屋在住の作家、吉川トリコさんによる
名古屋が舞台の短編集です。
登場人物が重なる作品もあり、ゆる〜く連作になっています。
短いお話なのだけど、どれも残ります、響きます、心に。
そして、きゅんとくる。
普通の人たちの物語だから、よりぐっとくるのかもな。
ちょっとしたことなのだけど、嬉しいと感じることってありますよね?
ちょっとした優しさに救われること。
その救いがこの本には絶妙のバランスでちりばめられていて、
心がじんわりうるおいました。
秋の夜長に1話ずつ読んでみてもいいかも。
そうそう、この本にもマップが載っていますし、その上、カラー写真も満載です。
小説、ガイドブック、さらに写真集としても楽しめる1冊です。
名古屋の旅のお供にぜひ♪
また、名古屋を外しても、1冊のあたたかな短編小説として楽しめます。
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『東京23話』、『名古屋16話』。
街がテーマのあたたかな2冊をぜひセットでお読みになってみてくださいね〜。