『火花』ほか
2015年5月6日
今日のキノコレ(grace内13時45分ごろ〜オンエアー)は、
紀伊國屋書店富山店の奥野さんからオススメの本、雑誌をご紹介いただきます。
★ 奥野さんの紹介文は コチラ
まずは、奥野さんの紹介文をお読みください。
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私もこれらの本を読みました。
まずは、お笑いコンビ「ピース」又吉直樹さんが初めて初めて書いた本格小説
『火花(文藝春秋)』 です。
発売以来、大人気、大絶賛されているようですね。
私もずっと気になっていました。
そして早速本のページをめくってみたのですが、
いきなり1ページ目から心を持っていかれました。
まるで自分もそこにいるかのような五感を刺激する文章で、
「この先を読んでみたい!」と思えました。
又吉さんの本好きはよく知られていますが、
この作品からもそれを感じました。
それにしても、芸人の世界は厳しい世界だなあ。
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次は、東邦出版の素敵な本を3冊ご紹介。
『日本の大和言葉を美しく話す −こころが通じる和の表現−』
この本の感想を今どきの言葉を使って表現するなら
「チョーよかった」
大和言葉を使うなら、
「このうえなくよかった」
です。
他にも
・感動する → 胸に迫る
・妥協する → 折り合う
・むかつく → 憤りを覚える
なども登場します。
大和言葉を使うと、不思議と喋りもゆっくりになり品が出てきます。
私も普段の会話の中に大和言葉を取り入れていきたいと思いました。
・
『日本の七十二候を楽しむ−旧暦のある暮らし−』
こちらは、季節の移ろいをこまやかに感じとるためのヒントが詰まった一冊です。
今日5月6日には、次第に夏めいてくるころと言われる二十四節気の一つ「立夏」です。
そして、さらに細かくしたものが「七十二候」です。
ちなみに今日は、七十二候の「蛙始めて鳴く」です。
この本によると、野原や田んぼで、蛙が鳴き始めるころだそうです。
オスの蛙が、メスの蛙を恋しがって鳴く声なんだとか。
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『日本の伝統色を愉しむ −季節の彩りを暮らしに−』
日本には数百種類もの色が美しい名称とともに伝えられているのだとか。
その中から160色が紹介されています。
たとえば「今様色(いまよういろ)」。
今様色の植物をまさに今見ることができます。
白もありますが、もう一色ありますよね?
紫みの強い赤色の街路樹と言えば?
「ハナミズキ」です。
ハナミズキのあの色は「今様色」と言われるそうですよ。
他にも
スイカの色は「韓紅花(からくれない)」
ビールは「向日葵色(ひまわりいろ)」
落ち葉は「朽葉色(くちばいろ)」
(落ち葉は、落ちるのではなく朽ちるのですって)
・・・
これら3冊に出てくる言葉は、
どれも口に出すと心地よい響きがあり、しっくりきます。
いずれも素敵な本でした。