スタッキング可能
2014年2月19日
今日のキノコレ(13時45分頃?オンエアー)で
紀伊國屋書店富山店の橋本さんからご紹介頂くのは、
松田青子 さんの 『スタッキング可能』 です。
★ 橋本さんの紹介文は こちら
『スタッキング可能』は、
紀伊國屋書店の書店員の皆さんが選ぶ キノベス で、
第3位にランクインしている作品です。
ちなみに、
第1位は『想像ラジオ/いとうせいこう』
第2位は『さようなら、オレンジ/岩城けい』
です。
どちらもラジオで紹介しました。
田島はどれが一番オススメ?
と聞かれそうなので、先に答えておきます。(笑)
えーっと・・・
どの作品も全くタイプが異なるため、これ!とは言えません。
すみません!(笑)
つまり、全て読んで頂くのが一番かと。
これはもう好みの問題です。
似たタイプなら私はこの作品!と言えるのだけれど、
見事にタイプが異なるもので。
もしよければ、私の過去のブログを参考までにお読みください。
・ 『想像ラジオ』
***
『スタッキング可能』 は、
不思議な世界に迷い込んでしまったような浮遊感がありつつも、
登場人物たちの感覚はリアルな物語でした。
登場人物たちの感覚が共感しやすいものばかりで、
こういう人いるいる!こういうことあるある!の連続でした。
でも、置かれた状況はちょっと変わっていたりします。
まるでわけのわからない夢を見つつも、
感覚だけはしっかりしているような感じです。
例えば、夢の中で空を飛んでいる時って、
なんで私は空を飛べるんだ?とは思わず、
当たり前のように空を飛んでいたりしませんか?
『スタッキング可能』は、そんな感じに近いものがありました。
また、短編集になっているのですが、
ある会社の物語を中心に、
漫才の台本のようなものが物語の合間にはさまっており、
これがいいアクセントになっています。
テンポもがらりと変わって、
ドラマの合間に入るCMのようでもあります。
しかもこの漫才が面白い!
一方、会社の物語は会社に勤める方が読んだら、
きっと自分や同僚、上司に似た人に出会えると思います。
まったく何を話しているのかわからないオラウータン上司、
あなたの会社にもいませんか?(笑)
責任を取らない上司や、
やる気のない後輩に腹を立てている方は、
怒りを誰かや何かにぶつける前にこの本を読んでみてはいかがでしょう?
みんな同じだなと思ったり、
逆に、あの人はこういうことを思っているのか、
とあなたをイラつかせる人の心の中を理解できるかもしれません。
『スタッキング可能』は、
よくある会話なのだけど、
よくある物語ではありません。
この世界とよく似たパラレルワールドに、
あなたも足を踏み入れてみては?
癖になるかもよ?
私は間違いなく、青子ワールドにはまりました。
新たな感覚の作品に出合えて幸せ。