剱岳 点の記
2008年3月17日
来年、映画の公開が決まっている、
「劔岳 点の記」の新田次郎さんの原作を読みました。
今日も、もしかしたら立山付近では映画の撮影が行われているかもしれませんね。
「剱岳 点の記」は、日露戦争直後の明治39年、
前人未踏といわれた北アルプス剱岳の登頂を命じられた、
測量官たちの苦闘を描いた実話が基になっています。
針の山と言われ、宗教上の理由からも登ってはいけない山と恐れられた剱岳の山頂に、
三角点埋設の至上命令を受けた測量官・柴崎芳太郎(しばさき・よしたろう)は、
立山の案内人・宇治長次郎らとともに山頂を目指すのですが、
彼らの進む先には、悪天候や地元の反感など様々な困難が待っていました…。
作者の新田次郎さんは、気象学者であるため、天気の表現が細かく、
小説を読んでいると、空の様子が画を伴って見えました。
長次郎が、長年の勘から翌日の天候を推測するのが面白く、
次は、何から天気を予想するんだろう、どんな天気になるんだろう、
と、私は、長次郎の天気予報が楽しみになっていました。
小説を読んでいる間は、自分も一緒に山を登っているような気持ちになり、
苦楽をともにしているような感じがしていました。
時には、寒さで凍えそうになったり、条件反射的に足がすくみそうになったりもしました。
じっくり、しっかり、着実に、
目的に向かって、まっすぐ真面目に進む男たちの姿は、
本当にかっこよく惚れ惚れとしました。
この本を読むことで、たくさんの素敵な人たちに出会えました。
私も、仕事の内容は違うけれど、
真面目に頑張ろう!と強く思いました。
ちなみに、来年公開の映画は、
CGなどは一切使わず、スタッフや俳優たちも実際に山を登り、
まさに、ストーリーを追うかのごとく映画を作っているのだとか。
表には決して出てくることはありませんが、
もう一つの『剱岳 点の記』が、そのまま実践されているようです。
少しだけ、撮影のドキュメンタリーを見る機会があったのですが、
それを見ただけで、感動のあまり泣きそうになりました。
映画の公開が本当に楽しみです!!!