「求めない」そして「鈍感に・・・」
2007年12月29日
今日は、年末年始に読むのにオススメの2冊の本をご紹介します。
まず1冊目は、
加島祥造(かじましょうぞう)さんの詩集『求めない(小学館)』。
この本は、最近どこの書店に行っても山積みされていて、
以前からとても気になっていました。
だって、タイトルが『求めない』ですよ。
ずっと気になりつつも、本を買えないでいたのは、
「求めない」ことなんて、今の私には不可能だと思ったからです。
最近の私はとても欲張りで、
なんで○○ではないんだろう、どうして気づかないんだろう、
と思うことがたくさんありました。
それは、他人に対しても。自分に対しても。
本当に求めてばかりでした。
でも、あるとき、とても疲れているときに、
ふとこの本を見つけて、自然に手に取ることができました。
そして、読んでみました。
著者である加島さんは、
全てを求めない、と言っているわけではなく、
求めないですむことは求めない・・・とおっしゃっていました。
詩なので、一文がとても短く、
そしてリズムがいいので、あっという間に読めます。
一ページに七行書かれていることもあれば、一言だけのこともあって、
声に出して読んでいるわけではないけれど、
読むスピードが、自然とコントロールされていきます。
長い文章の中の「求めない」という言葉は自然と速くなり、
一言だけの「求めない」は、自然と遅くなります。
本なのだけど、まるで声が聞こえてくるような不思議な感覚になりました。
イライラっときたら、
くやしー!と思ったら、
欲張ってしまいそうになったら、
一度、心の中で「求めない」
と言ってみようと思いました。
そんなことで何が変わるの?と思う方もいるかもしれないけれど、
それも自分次第だと思うのです。
『求めない』。あっという間に読めます。
そして、何度も繰り返し読みたくなります。
詩集『求めない』だけは求めてみてもいいと思います!
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そしてもう1冊が、今年とても流行りましたので、
すでに読んだという方も多いかもしれません。
渡辺淳一さんのエッセイ『鈍感力(集英社)』です。
この本を読んで、難しいことを考えるのはやめようと思いました。
あらゆることを気にしていたら生きていけませんもんね。
言葉の奥の奥まで読み取ろうとすると本当に疲れますものね。
「いいね!」と言われたら、
素直に「ありがとう。やったー。ほめられた!」
と思える人になりたいと思いました。
いちいち「もしかしたら、これは嫌味か?お世辞か?」
などと考えていたら器の小さい嫌な人間になってしまいそうですものね。
私も是非おおらかに豪快に生きていきたい!と思ったのですが、、、
これを書いている横で(ちなみに今は実家にいます)、
母親が「すでに十分、鈍感だし、豪快だよ!」と口をはさんできました(笑)。
私の場合、少し敏感になった方がいいのかもしれません…(汗)。
でも、先ほどの『求めない』の感想にも書きましたが、
最近の私は本当に欲張りで求めてばかりでした。
そして、これら2冊の本を読んで気づきました。
「求めないこと」と「鈍感になること」は、
異なるようで、でも似ているな、と。
『求めない』『鈍感力』ともに、
「今年も1年お疲れ様。少しぼーっとしてごらん。色々なことは忘れてさ」
と言われているような気分になりました。
1年間、頑張りすぎたあなたにこそ読んでいただきたい2冊です。
どちらもあっという間に読めますよ。