総理の夫
2013年8月28日
最近、政治関連の本を立て続けに3冊読みました。
まず、「倍返しだ!」でおなじみ、
ドラマ『半沢直樹』の原作を書かれた著者の池井戸潤さんの小説
『民王(たみおう)』 。
こちらは、総理の父とその息子による政治コメディ。
私は、本を読みながら思わず声を出しながら笑ってしまいました。
一気に読めましたし、何より面白い本でした。
★詳しい私の感想は コチラ
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2冊目は、財政破たんした夕張市の若き市長、鈴木直道さんの
『やらなきゃゼロ!
—— 財政破綻した夕張を元気にする全国最年少市長の挑戦 —— 』 。
鈴木市長は、私と同じ法政大学の出身で、現在32歳。
大学の後輩です。
実は先週の土曜日、富山で市長の講演会がありまして、
私もお話を聴きにいきました。
その講演の前に、予習がてら市長の本を読んでみたのですが、
読みながら、感動!そして興奮しました(笑)。
少し、市長のことをご紹介しましょう。
市長は、2011年、30歳の時に全国最年少の市長になりました。
でも、市長が生まれたのは埼玉です。
それなのになぜ夕張の市長になったのか?
もともと市長は東京都職員として働いていたのですが、
2008年に夕張に派遣されたことがきっかけでした。
派遣期間が終わり一度は東京に戻ってくるものの、
夕張市民の熱い要望に応え、東京都を退職し、夕張市の市長になったというわけです。
しかも夕張市は財政破たんしているため、
東京都職員のころの年収より200万円も下がってしまったそうです。
でも、彼は夕張市長になることを選びました。
夕張を元気にするために。
もっと詳しく内容が知りたいという方は、ぜひ本を読んでみてください。
先日の講演会でも、なぜ夕張市長になったのか、お話になっていました。
市長は一見とっても穏やかで優しい雰囲気なのですが、
そのハートはとても熱いもので、
私は久しぶりに人の話を聴きながら興奮しました。
本気なのが伝わってきました。
この方は、本気で夕張を変えようとしているのがわかりました。
同世代で同じ大学出身の方の話に刺激を受け、
自らの生き方を反省し、私ももっともっとしっかり生きていこうと思いました。
ブログをお読みのあなたも是非、鈴木市長の本『やらなきゃゼロ!』を読んでみて下さい。
ちなみにこの本は、高校生向けに書いた本ということで、大変読みやすいです。
でも、私は、大人の方にこそ読んでいただきたいと思いました。
刺激、受けますよー!!
★詳しい私の感想は コチラ
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そして、3冊目は、原田マハさんの新作
『総理の夫』
です。
偶然なのですが、なぜかこの夏は政治関連の本を立て続けに読みました。
原田さんの作品は好きで私もよく読んでいます。
有名なところでは、アートサスペンス『楽園のカンヴァス』、
最近では、『ジヴェルニーの食卓』なども注目されました。
この2冊の印象から、アートをテーマにした小説をお書きになる方、
という印象をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、
実は、題材はかなり幅広いのです。
以前ラジオで紹介した本ですと、
ひきこもり青年による農業小説『生きるぼくら』、
人から依頼を受けて代わりに旅をする女性のお話『旅屋おかえり』
などがあります。
そして、今回は『総理の夫』というタイトル通り、
ファースト・レディならぬファースト・ジェントルマンのお話です。
つまり、総理は女性です。
総理の夫目線で話は進んでいきます。
どんなお話しなのか軽くご紹介しましょう。
ある日、主人公の妻は42歳で史上初の女性総理大臣になります。
夫である私は鳥類研究家として働きつつ、妻を支えようと決意。
美しく誠実で正義感にあふれる女性総理は、国民からの支持率も高いものの、
税制、エネルギー、子育てなど国民目線で女性にやさしい政策に
政財界の昔からのおじさまたちからは反発を受け、ついには嫌がらせも…。
果たして、初の女性総理の政策は実現するのか?
そして、その夫は妻を支えることはできるのか?
というお話です。
この本を読みながら、ある言葉が何度も繰り返し出てきました。
それは
「本気」
という言葉。
この本の直前に読んだ夕張市長の本を読んだとき、
まず頭に浮かんだ言葉が同じく「本気」だっただけに、
より印象に残っていたのかもしれませんが、
何かを成し遂げようとする人からは、
必ず「本気」が感じられるのだなあということをあらためて実感しました。
今話題の税制の関しても、取り上げられていて、
物語の世界のことだけでなく、現実世界と重なる部分も多々ありました。
こんな総理がいたらいいのに!と思わずにはいられませんでした。
と同時に、こんな夫がいたらいいのに!とも思いましたが(笑)。
最初は、ナヨナヨしていて頼りない夫に、
なぜこんな夫と結婚したのよ?と思いましたが、
でも、少しずつ彼の魅力がわかっていきました。
政治のお話でもありますが、素敵な夫婦の物語でもあります。
なんとなく。
この作品、いずれ映画化あるいはドラマ化されそうな気がします。
その場合、女性総理はどなたがやるんだろう?
私のイメージは篠原涼子さんです。
いつもは、本の映像化はあまりしてほしくないなあと思うのですが、
この作品に関しては、ちょっと映像化したものも見てみたくなりました。