『サウスバウンド』
2007年10月1日
今日は、10月6日公開の映画『サウスバウンド』の原作&映画、
二つの作品を味わった感想を書きます。
原作者は、私の大好きな作家、奥田英朗さん。
2006年本屋大賞第2位にランキングした話題の長編小説です。
奥田さんファンとしては、
絶対に映画化される前に読まなければ!と思い、文庫2冊を3日で読みました。
おかげで、この3日間は、やや寝不足気味になりましたが、
面白かったので疲れは残りませんでした。
それよりも、仕事を休んで、一日読書に集中したかったくらいです(笑)。
内容は、一言で言えば、昔、過激派だった破天荒な父とその家族の物語です。
父・一郎は、長いものにまかれる、なんてことは一切ありません。
間違っていると思ったことは、徹底的に追及します。
確かに言っていることは正しかったりするのだけど、
自分の父親だったら、、、困るかな(笑)。
小説は、父親・一郎ではなく、小学6年生の息子・二郎の目線で描かれています。
小6って、子どもというには大きすぎるし、
大人というにはまだ早すぎる、微妙なお年頃です。
女の子と男の子でも、また全然違うしね。
男子は、大人の世界の入り口がうっすら見えてきた頃かな。
小説には、体や心の変化も描かれています。
二郎はとにかくいつもお腹がすいている子で、
そのことばかりを考えているのだけど、
段々「食」以外のことも考えるようになっていきます。
「大人」になっていく二郎と、よくも悪くも「子ども」のままの父親。
そんな二人に、次から次へと様々な問題が生じます。
なさそうで、でも、ありそうな、ギリギリのラインを描くのが、
奥田先生のうまいところだと、私は思っているのですが、
今回も奥田先生らしい作品だと思いました。
とても楽しかったです!
さて、映画はどんな感じになったのでしょうか。
かなりの期待を込めて映画を観てみました。
ここからは、映画『サウスバウンド』の感想です。
映画の脚本を手がけたのは、『模倣犯』や『間宮兄弟』の森田芳光監督。
私は、主演がどなたかを知った上で、原作本を読み始めたので、
映画を見て、動く&しゃべる豊川悦司さんを見たときには、
思わず「わーお!」と声をあげたくなりました。
トヨエツだとわかった上で本を読んでいたので、
私の中で、一郎はトヨエツだったんです。
トヨエツは、一郎そのものでした。
あまりにもその通りで、嬉しくて、映画を見ながらニヤニヤしてしまいましたもん。
ストーリーは、原作の良さをいかしつつオリジナルの脚本になっていたので、
それはそれで別物として楽しむことができました♪
映画は、二郎の目線というよりも、家族みんなが主人公といった感じで、
家族の結びつきがより強くなっていました。
そうそう、警官役の松山ケンイチさんもいい味出してました。
素朴で不器用な警官がよく似合っていました。方言も自然でした。
真逆ともいえる『デスノート』のエル役も似合っていたし、
本当に幅の広い役者さんですね。
ここで、お知らせ!
映画『サウスバウンド』の監督インタビューを
10月4日(木)の14:25〜『grace』で放送します。
聞き手は、私です。
よかったら、お聞きくださいな♪
★原作も映画もそれぞれ面白かったです。
できれば、どちらも味わっていただきたいなぁ♪