秋の夜長に長編を
2012年10月10日
秋の夜長、何して過ごしてますか?
何か本でも読もうかな?と思っていらっしゃるなら、
まずは、こちらの本を読んでみてください。
『THE BOOKS
365人の本屋さんがどうしても届けたい「この一冊」(ミシマ社)』
です。
私の大好きな出版社、ミシマ社の本です。
こちらは、本を一番よく知る書店員さんが
「これだけは、どうしても届けたい」と思う一冊を、
直筆の手書きキャッチコピーと、
本屋さんならではのエピソードとともに紹介されています。
その数、365冊!
つまり、一日一冊、1年分の本が載っています。
月ごとにテーマが分かれ、日付もかかれているので、
例えば、本を読もうと思った日の本を読んでみるということもできますし、
ぱらぱらっとめくってみて、気になった本を読むこともできます。
ちなみに、紀伊國屋書店富山店の橋本さんのオススメ本も紹介されています!
私は、今日の日付の本を読んでみました。
10月10日は、乃南アサ(のなみ・あさ)さんの『風紋』でした。
この本をすすめられた書店員さんのキャッチコピーは
「心に癒しがたい傷を負った人々に
しあわせになってほしいと願っています」
でした。
さらに、本の紹介のあとに、
「次の一冊」という案内も。
『風紋』の続編の『晩鐘』が紹介されていました。
せっかくなら全部読んでみようと思って、本を手にしてビックリ…。
なんと分厚い文庫が4冊。
542+469+684+698=2393
これ、全ての本のページを足した数です。
2393ページ。
先週から昨日までに私が読んだページの数です。
改めて数字にしてみるとすごいなあ。(笑)
まさに私、読書の秋を満喫中です。
こんなに本ばかりを読んでいる日々も無いくらい、
空き時間は全て本を読んでいました。
そして今も、本の世界から抜け出せずにいます。
ニュースを見る度、色々考えてしまうようになりました。
この4冊に書かれているのは、ある殺人事件に巻き込まれた家族の話です。
被害者家族と加害者家族。
そして、それを追う新聞記者。
まず、『風紋』は、殺人事件が起きた後、
被害者、加害者それぞれの家族が、どのような状況になり、
どういった日々を送らなければならなかったのかが描かれています。
そして、続編の『晩鐘』は、その事件から7年後が描かれています。
被害者家族の傷は癒えたのか、何も知らずに育った加害者の子どもたちは?
はっきり言って、軽い気持ちでは読めません。
読みながら辛く苦しくなってきて、
さらに、読んでも読んでも終わらなくて、
ああ、私はなぜこの本を選んでしまったんだろう?
と思ったこともあったけれど、今は読んで良かったと思っています。
『風紋』は、事件の直後ということもあり、ヒステリックな雰囲気でしたが、
事件から7年後の『晩鐘』は、
一見淡々とした中の内なる荒々しさがチクリチクリと心に刺さりました。
本を読む、ということは、
人を知る、ということになるのかもしれない。
ということを今回、感じました。
普段私たちは、様々な人と接します。
けれども、相手の本音まではわかりません。
でも、本には、その人の本音が書かれています。
そういう意味では、本を読むことは、
人の心をのぞくということになるのかもしれません。
堂々とのぞけるのが本ならば、私は、たくさん読んでいきたい。
そうすることは、私自身のためにもなると思うから。
なんてことを思いました。
私、なんだかんだで、毎年秋には長編に挑戦しているようです。
やはり、秋は本を読みたくなるようで。
あなたもこの秋、どっぷり長編にはまってみては?