ミシマ社
2012年2月22日
「ミシマ社」という出版社をご存知ですか?
ミシマ社は、東京は自由が丘にある「原点回帰」の出版社です。
2006年に三島邦弘さんが一人で始められました。
現在のメンバーはたった7名。
書店との直取引、手書きの本紹介「ミシマ社通信」など、
その独自のスタイルが今話題となっています。
実は私もミシマ社のファンで、
今まで、放送やブログでもミシマ社の本を何冊もご紹介しています。
私がミシマ社の本を好きな理由は色々ありますが、
一番は、本を読むというより、
著者と会話をしているような気分になれるところかな。
普通だったら、読者は受け身だけど、
ミシマ社の本は、本(著者)との距離が近く、
私も言葉を発しているような気分になる。
実際、声を出して本と会話をしているわけではないのだけど、
でも、気持ちがすっきりするのです。
例えば、曖昧な自分の考えをうまくまとめてもらった後のすっきりとした気持ち。
「私が言いたかったのは、そういうことなのよ!」という感じを味わえる。
そんな気分をまさに味わったのが、
ミシマ社をたちあげた三島邦弘さんが書かれた、
『 計画と無計画のあいだ 「自由が丘のほがらかな出版社」の話 』
です。
こちらは、出版社を立ち上げてから今までの5年間のエピソード、
スタッフの皆さんとの愉快な(!)日々、
三島さんの本への熱い思いなどが綴られています。
心に響く言葉満載で、
いいなと思う言葉をここにあげていったら、
そのまま本1冊丸うつしになってしまうかも。(笑)
ちなみに一番共感したのは、感覚を大切にしていること。
感覚と自由については、こんな風に書かれています。
「自由とは自分の感覚がよく効くという状態をさす」
最近、「自由」という言葉について色々思うことがあったのですが、
これを読んだ瞬間、あーこれだー!と思って、
かなり興奮しちゃいました。
仕事とどう向き合うべきかが、自然なテンションで書かれています。
まるでカフェでおしゃべりしているかのようなリラックスした感じで。
いつもだったらここで、
この本は、こういうタイプの人にいいかも!
と私は書きますが、
実は、ミシマ社は、読者層、ターゲットを決めていないそうです。
でもね、特に読んでもらいたい人がいます。
あくまでも私の個人的思いということで書きます。
「感覚?はあ〜?何甘いこと言ってんだよ!」と思った方にこそ、
読んでもらいたいです。(笑)
まさに、あのころはあった「原点」を思いだせると思いますよ。
あ、そうそう、この本は、ミシマ社のことが書かれていますが、
出版社は、河出書房新社です。
・・・
さて、今日はもう1冊ご紹介します。
こちらは、ミシマ社から出ています。
『いま、地方で生きるということ/西村佳哲(にしむら・よしあき)』
今日は、ニュージーランド地震から1年。
まもなく東日本大震災からも1年が経とうとしています。
この本には、著者が、震災後、
東北や九州を巡って旅をしながら出会った人たちのことが綴られています。
震災のこともたくさん書かれています。
震災後、ボランティアの皆さんがどんな行動を取り、何を思っていたのか。
いま本当に必要なものは?など。
震災から1年経った今、もう一度向き合おう。
今、自分にできることをしよう。
と考えている方も多いと思います。
できることはたくさんあると思いますが、
その中のひとつにこの本を読むこともいれてみてください。
また、この本は「地方」について書かれていますが、
「都市」と比較はありません。
あくまでも「地方」で暮らす人たちのことが書かれています。
ちなみに、富山のお話もあります。
地方で暮らす人たちは、
どのような思いでその土地を選び暮らしているのか。
生の言葉、温度をこの本で感じてみてください。
ああ、まだまだ言いたいことがあるのだけれど、
またもや長くなりすぎた…。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。
ひと言で言うならば、
今日ご紹介した2冊は、これからの生き方を変える力のある2冊なので、
読んでいる人とそうでない人との間には、
きっと大きな差が生まれるような気がするの。
だから、ぜひ読んでみてね!
ということかな。(笑)
ちなみに、紀伊国屋書店富山店では、2月24日(金)まで、
ミシマ社5周年記念フェアを開催しています。
ミシマ社の書籍がずらりと並んでいます。
話題の手書きのフリーペーパーや手作りポップもありますので、
ミシマ社が醸し出す空気も感じてみてください。