13『facebook』、2『ソーシャル・ネットワーク』
2011年2月28日
現在、第83回アカデミー賞の授賞式が行われています。
様々な話題作がノミネートされていますが、
オスカー最有力と言われ、作品賞・監督賞ほか8部門でノミネートされているのが、
『ソーシャル・ネットワーク』。
アカデミー賞の前哨戦、ゴールデングローブ賞では、
作品賞・監督賞ほか最多4部門を受賞したほか、
各映画賞を総なめにしている話題作です。
日本ではすでにだいぶ前から公開されています。
しかし、私がこの作品を見たのは、先週でした。
なぜか?
それは、不安だったからです。
カタカナもPC・ネットも苦手。
ツイッターも最近本格的に始めたばかりだし、
facebookは、もちろんやっていない。
そんな私でも理解できるのか?
不安を抱えつつ、映画を鑑賞してみました。
冒頭から、まくしたてるように喋る早口の主人公。
しかも、話の内容が感じ悪いときたもんだ。(笑)
いきなり挑戦状をたたきつけられたような気分でした。
ちょっと不快な気持ちのまま(笑)、しばらく客観的に鑑賞。
のはずが、いつからか、作品世界に没頭している自分がいました。負けました。
作品にパワーがありました。
最初は不快に感じた主人公の喋りや、
音楽を奏でるかのようなPCのキーボード音が、
途中からは、映画のサウンドトラックのように馴染んでいました。
簡単にストーリーをご紹介しましょう。
『ソーシャル・ネットワーク』は、
世界最大のソーシャル・ネットワーキング・サービス
『フェイスブック』の誕生の裏側を描いた映画です。
主人公は、ハーバード大学の学生マーク・ザッカ—バーグ。
2003年、19歳のマークは、親友のエドゥアルドとともに、
大学内に友人を増やすためのサイト『フェイスブック』を作ります。
その後、サイトは瞬く間に世界に広がっていきます。
と、書くと、若き天才学生のサクセスストーリーのように思えますが、
そう単純なお話ではありません。
マークは、親友エドゥアルドをはじめ、複数の人間から訴えられてしまうのです。
その訴訟の様子も描かれます。
嫉妬や裏切りのうずまくドロドロの世界の中で、
人は何を思い、どのような行動に出るのか。
人間ドラマとして見ごたえのある作品でした。
また、実物の主人公マークとは、本当はどんな人なんだろう?という興味もわきました。
そこで、インタビューを見てみました。
マークは映画の感想をこのように話していました。
「Tシャツとサンダルはボクと同じだ。(笑)でも、それ以外の部分はフィクションも多い」と。
映画に対して、全てがノンフィクションだとは思っていないようです。
でも、笑顔で穏やかに話をするマークは、
映画のイメージとは違い、人間味があって、とても気さくで、一気に好感度がアップ!(笑)
また、ベン・メズリックの書いた原作『facebook』も読んでみました。
こちらは、マークの親友エドゥアルドの目線で書かれています。
ノンフィクションということで、映画以上に生々しかったです。
映画をご覧になって興味を持たれた方は、
ぜひ、原作をお読みになってみてください。
そうそう、あとがきにとても印象に残った一文がありました。
「同じ人でも、見る人が違うと、見え方がまったく異なることがある」
原作を翻訳された夏目大さんの言葉です。
例えば、歴史上の人物を描くとき、
ある作品では悪役でも、作品が変わればヒーローになることもありますよね?
マークに対する見方も、人それぞれなのだと思います。
それは、誰に対しても言えることですよね。
自分の判断、自分の感覚を忘れてはいけない、
ということに、最後の最後に気付かされました。
それにしても、アカデミー賞の結果が気になる〜!
これだけ、ご紹介しておきながら、こんなことを言うのもどうかと思いますが、
私の作品予想は、『英国王のスピーチ』です。(笑)