11・12 老いの才覚・やめないよ
2011年2月21日
今日のキノコレ(13:45頃〜オンエアー)は、
久しぶりの登場!橋本さんからのオススメ本のご紹介です。
詳しくはこちらを見てね♪
http://www.fmtoyama.co.jp/program/program_info_1171.html
まずは、こちら。
曽野綾子さんの『老いの才覚』です。
去年の9月に発売され、すでに50万部を突破しています。
穏やかな藤色の本に巻かれた真っ赤な帯には、
「年の取り方を知らない老人が急増してきた」
と黄色の文字で書かれています。
さらに、「わがままな年寄こそ大問題」とも。
曽野さんは、自立した老人になるために、
老いの才覚=老いる力をもつことが重要であると、
7つの提案をされています。
曽野さん自身が1931年生まれの今年80歳ですので、
ご自身やご主人のことも例にあげながら、
老人とはこうあるべき、こんな老人は恥ずかしい、と、はっきりと断言されています。
タイトルからもわかる通り、
ご年配の方へ向けて書かれていますが、
その方たちだけに向けられたものでは無いと思います。
若い世代が読むことで気付くこともあります。
人として、どのように世の中と向き合い、生きていけばいいのか、
潔いほどの言葉でバシッと言い放っていらっしゃいて、刺激になります。
曽野さんによると、老化度を測る目安は「くれない指数」なんだとか。
家族が「○○してくれない」、
「○○さんにつたえておいてくれない?」、
など、他人を当てにしはじめたら、老化の始まりなんですって。
どうです?
年齢は関係ないですよね?
さらに、「権利」を主張し、「遠慮」をしなくなった人が増えた、とも。
これも、年齢は関係ありません。
何かをされたら怖いから、と、他人の酷いふるまいに対して、
見て見ぬふりをすることが多くなった今の時代に、
はっきりと「それはいけないことよ!」と渇を入れていらっしゃるような1冊でした。
本を読んで、私が心に響いたのはこの言葉。
「何をしてもらうかではなく、なにができるかを考える」
さきほどの「くれない」ともかぶりますが、
年配の方だけでなく、多くの人が、他人から何かしてもらうことを勝手に期待し、
裏切られた、と嘆いているような気がするのです。もちろん、私も。
最初から当てにしなければ、逆に何かをしていただいたら、感謝ができます。
私も今日から、その考え方を通していきます!
・・・
もう1冊は、キングカズこと三浦知良さんの『やめないよ』。
2006年から2010年にかけての最近の5年間が記録されています。
ちなみに、去年のカターレ富山戦でゴールを決めたこともちらっと書かれています。
カズは、40歳を超えた今も現役サッカー選手としてプレーし続けています。
以前、私もカターレ戦で生のカズを間近で見ましたが、やはりオーラが違いました。
ただし、以前のように、常に試合に出続けているわけではありません。
カズは、どんな思いで、サッカーを続けているのでしょうか。
ずっと現役であり続けるとはどういうことなのでしょうか。
今のサッカー界をどう感じているのでしょうか。
そんなカズの頭の中を垣間見ることのできる1冊になっています。
私は、この本を読んで、ちょっとだけキングカズへの見方が変わりました。
もっとガツガツギラギラしている印象を受けていましたが、そうではありませんでした。
もちろん、心の中は、昔同様メラメラ燃えているようですが、
サッカーとの向き合い方が変わってきているようです。
どのように違うのかは、是非、本を読んでみてください。
そういえば、先ほどの曽野さんと同じようなことをカズもおっしゃっていました。
「他人のせいにするな」
失敗した時、人のせいにする人と、自分のここがダメだったという人の差は開いていく、と。
全く異なるタイプの2冊のようでいて、
でも本質ではつながっているところがあるように思いました。
新年度を前に、襟を正すという意味では、2冊とも、この時期に出会えてよかったです。