9 『ストーリー・セラー』
2011年2月7日
私は普段、あまり恋愛小説は読みません。
嫌いとか避けているとかというわけではなく、
私自身が読みたい本、紀伊国屋書店さんにすすめていただく本が、
たまたまそれ以外の本が多いので、なんとなく読んでいないだけです。
今回、紀伊國屋書店富山店の朝加さんから、
何か読みたい本はありますか?と聞かれた時、
世の中はバレンタインだし、たまには恋の話でもいいかな、と思って、
今、イチオシのラブストーリーは何か聞いてみたのです。
そして教えていただいたのが、
本屋大賞候補に入っているこの本でした。
白い包装紙に青いリボンで包まれた、プレゼントのような装丁のこの本は、
読み終えた時に、その理由がわかります。
これは、まさにプレゼントなのです。
この小説には、「Side:A」、「Side:B」という2つの作品が収められています。
共通しているのは、小説を書く妻とその小説の一番のファンである夫が主人公であるということ。
また、どちらもお互いのことをとても愛し合っているということです。
そして、夫婦のうち、どちらかが病気になります。
「Side:A」は、夫の視点、逆に「Side:B」は、妻の視点で語られます。
とてもよく似た設定だったので、同じ夫婦のお話かと思って読んでいましたが、
すぐに、あ、これは、違う夫婦のお話だと気付きました。
でも、愛情のかけ方は似ています。
どちらも心から愛し合っている夫婦で、時に2人の会話が甘すぎて、本当にこんな夫婦いるか?
と、思いつつ、こういう夫婦になりたい、というか、こんな男の人と結婚したい!と思う自分もいて、
独身の私は、結婚への理想がまた高くなってしまいました。(笑)
でもね、読んで良かったです。
思いがけず、本を読みながら泣いてしまった自分もいましたし。それは、優しい涙でした。
「Side:A」、「Side:B」と続いて、もう終わりかと思ったら…
さらに、その先がありました。
朝加さんも、キノコレの紹介文に書かれていますが↓
http://www.fmtoyama.co.jp/program/program_info_1163.html
驚きました。
驚きのあまり、声を出してしまったほど。
最後の1行を読んで、『ストーリー・セラー』に対して、さらに熱い思いがこみ上げてきました。
色々な受け止め方ができるでしょうが、
私は、その一行に対して、
「有川さん、私も、信じています!!!」
という言葉をかけたい。