30 映画『悪人』
2010年9月6日
今週末、11日(土)に、いよいよ話題の映画『悪人』が公開されます。
それに伴い、今週のgrace&気ままプランでは、
毎日、映画『悪人』特集をお届けします。
まず、初日の今日は、14:25〜 私、田島の視点で『悪人』をご紹介、
7日(火)は、14:25〜 BOOKSなかだファボーレ店の内藤さん、
8日(水)は、15:20〜 TOHOシネマズファボーレ富山の村木さんのインタビューを、
また、9日(木)は、15:00〜のサンレポとやま、
10日(金)は、気ままプラン内で、『悪人』特集をお届けします。
1回目の今日は、私の視点でご紹介します。
せっかくなので、私のブログ『ゆきれぽ』にも載せますね。
『悪人』は、芥川賞作家、吉田修一さんのべストセラー小説『悪人』の映画化です。
原作は、以前、ブログ&番組でもご紹介しました。
◎ブログは、コチラをみてね↓
http://www.fmtoyama.co.jp/blog/tajima/?p=1479
あらためてご紹介しましょう。
小説は、あるひとつの殺人事件に関わった様々な人々の視点で描かれています。
娘を殺された父親、殺人犯の友人、殺人犯を愛した女性など、
順に一人称が変わっていきます。
そして、様々な視点から事件の真相が明らかになっていくのですが、
終わりが近づくにつれ、そもそも「悪人」とは、一体誰なんだろう?
という疑問が生じてきます。
誰か1人が圧倒的な悪人だったら、わかりやすいのですが、
この本は、登場人物全てから悪人のニオイがします。
その悪人臭は、強いものから微かに香るものまでさまざまですが、
無臭の人はいないように思いました。
そんな重厚で個性の強い作品です。
原作を読んだたくさんの映画監督が映画化を熱望しました。
そして、実際に映画化したのは、『フラガール』の李相日(リ・サンイル)監督。
脚本は、李監督と原作者の吉田さんがともに手掛けました。
原作者が脚本を書くと失敗することが多いとか、
原作ありきの映画は原作の方が面白いとか、
言われることも多いようですが、
私は今回は、原作も映画もそれぞれ満足度が高く、
どちらか一方がいい、ということはありませんでした。
たしかに映画は、原作とは細かなところで違いはありますが、違和感はなく、
映画をみながら、「あ、原作と違う…」というような、
余分な感想が頭に浮かぶことはなく、映画の世界に没頭できました。
気になる配役は、主人公の殺人犯の清水を自ら出演を熱望した妻夫木聡さん、
その清水を愛する光代を深津絵里さんが演じています。
原作ではぼんやりと描かれる清水という男が、
映画でははっきりとした輪郭を伴っていること自体、すでに新鮮でした。
また、スクリーンから漂う独特などろっとした重たい空気が、生々しく迫ってくるようで、
ある意味では、3D映画よりも、近くに感じられた作品だったように思います。
そして、見終わった後もしばらく心の中にねっとり住み続けます。
あなたは、映画『悪人』を見て何を感じるでしょうか?
是非、実際に映画を見て、自分の心に問いかけてみてください。
映画『悪人』は、9月11日(土)から、
TOHOシネマズファボーレ富山、TOHOシネマズ高岡で公開されます!