25『告白』
2010年6月3日
今日ご紹介するのは、今週末公開の映画『告白』です。
今日のgraceでは、中島哲也監督インタビューをお届けしました。
お聞きいただけましたか?
お声も見た目もと〜ってもダンディで素敵な監督でした。
でも、それ以上に、会話の間(ま)の気持ちのいい方で、
もっともっと一緒にお話をしていたい、と思いました。
さて、graceでも、もう何度もこの『告白』について触れているので、
作品については、さらっとご紹介します。
去年、2009年の本屋大賞を受賞した湊かなえさんのベストセラー小説を、
『嫌われ松子の一生』や『パコと魔法の絵本』の中島監督が映画化したものです。
娘を殺された女性教師をはじめ、
殺人事件に関わった登場人物たちの独白形式で構成された衝撃作です。
私は、映画を見る前に原作を2回読みましたが、
まったく期待を裏切られない、どころか、
内容を知っているにも関わらず、作品のもつパワーにぐいーっと引っ張られました。
すごいですよ、本当に。
よくありがちな、本を読んだときのイメージが壊れてがっかり、
というようなことは全くありませんでした。
でも、新たな発見はありました。
それは、13歳の少年少女の見た目の幼さです。
あどけない笑顔は、まだ子供のようでした。
しかも、その笑顔がこわいのです。
普通は笑顔は幸せなものですが、この作品の笑顔はこわいの。
また、ゆっくりと広がる水しぶきや空の雲など、
一瞬、一瞬は、とてもキレイなシーンが多いのに、
1つの流れの中では、それらもとても不気味なのです。
一見、幸せそうに見えるものが、全て逆の意味を含んでいるように見えてしまうのが、
悲しく、こわい作品でした。
でも、そういった、ふわふわしたというか、淀んでいてつかみどころの無い中で、
一つだけ現実味を感じられるものがありました。
それは、カーブミラーです。
自己チュウで、勝手な登場人物ばかりの中で、
客観的に彼らを見つめる、ゆがんだカーブミラー越しの世界だけが、
現実を映し出しているようで、何とも言えず、ひんやりとしていました。
と、色々書きましたが、これらはあくまでも私の感想です。
インタビューの時に、監督が、
「この映画は自由に見てほしい。見た人の数だけ感想があるはず」
とおっしゃっていたのが印象的でした。
あなたは、どんな感想をもつかな?
映画『告白』は、今週末6月5日(土)〜公開です!
是非、ご覧ください。