14・15 スリ&占い師と、とげ抜き師のお話を2冊。
2010年3月1日
今日のキノコレのオススメ本2冊、
『神様がくれた指/佐藤多佳子』&『はじめまして、本棚荘/紺野キリフキ』を読みました。
「キノコレ」は、紀伊國屋書店富山店オススメの本をご紹介いただくgrace内のコーナーです。
キノコレのおかげで、私は、新たな本の世界を知りました。
このコーナーが始まる1年前までは、自分が読みたい本だけを読んでいましたが、
この1年、自分一人で本屋さんに行ったら、
絶対に選ばないであろう本を何冊も教えていただきました。
たぶん、この2冊も自らは選ばないタイプの本です。
だからこそ、とても新鮮でした。
★『神様がくれた指/佐藤多佳子』
スリ&占い師の2人の青年のお話です。
あまりにも普通の生活とかけ離れた人々なので、
ある意味、その世界のウラを知ることができて、面白かったです。
何より電車の中のスリには気をつけよう、と思いました。
人と人は、どこでどうつながるかわからないものです。
何年も近くにいても、まったくわかりあえないこともあれば、
会った瞬間、意気投合してしまうこともある。
「出会い」というと「恋愛」を想像してしまいがちだけど、それだけじゃない。
親友、仲間、同志など、色々な出会いがありますす。
スリ&占い師の男性は、ひょんなことから一緒に暮らすことになります。
2人の考え、特にスリの彼には、まったくと言っていいほど共感は出来なかったのですが、
徐々に空気が馴染んでいく2人の関係は、ちょっとうらやましく思いました。
今日から3月。この本は、出会いの季節にこそいいかも!
この春、どんな出会いがあるのかな〜。
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★『はじめまして、本棚荘/紺野キリフキ』
先ほどの本も、なかなか共感しにくい設定でしたが、
こちらは、さらに想像もできない世界が広がっていました。
なんといっても主人公が「とげ抜き師」ですから。
しかも舞台は、昔は本が家賃だったというアパート本棚荘。
この「とげ」は、ただのとげではありません。
「心にとげが刺さったみたい」と比喩することがありますが、
その「とげ」に近いかもしれません。
また、本棚荘に住むのは一風変わった人々です。
この本は、まったく先が読めませんでした。ほんの2〜3行先でさえ。
ラストもまったく想像できませんでした。
このフワフワとした世界感は、どのような終わりを迎えるのだろう、と思ったら、
気になって気になってノンストップで読み続けました。
でも、小説の世界は、私がどんなにハイスピードで読んでも、
どこまでも、のんびりゆっくりしていましたが。
そして、本編ラストの次のページには、見覚えのあるお名前を発見しました。
なんと、解説を、キノコレでおなじみ、
紀伊國屋書店富山店の朝加さんがお書きになっているのです。
朝加さんらしい、あたたかみのある解説です。
是非、こちらもお楽しみに〜。
「キノコレ」は、今日の13:45〜。
詳しくは、こちら↓もご覧ください。
http://www.fmtoyama.co.jp/program/program_info_924.html