1『空気人形』
2010年1月13日
現在公開中の映画『空気人形』を見てきました。
今年1本目です。1本目にしてはディープな作品でした。
といっても、映像そのものは透明感があるし、
描かれている恋愛もとってもピュアです。
でも、「ピュア」は、ときに悲しい現実をうむこともあります。
ピュアゆえに惨酷、のような。
監督は『誰も知らない』の是枝裕和さん。
ある意味、今回の作品も誰も知らない人々にスポットを当てています。
皆、満たされない日々を過ごし、どこか空虚。
まるで空っぽ。
そして、実際に、身体の中が空っぽなのが、主人公の「空気人形」。
ペ・ドゥナさんが演じています。
ある日、「心」を持ってしまった空気人形が、
どのような行動をとり、何を感じるのか、が描かれていきます。
空気人形は、ARATAさん演じるレンタルビデオ店の店員に恋をするのですが、
ぎこちなさのある空気人形を、大きな愛で優しく包み込む彼の優しさに、
私まで惚れそうになりました。かっこよすぎます。
実際、2人の正反対の動きが、スクリーン上でもバランスよく、
見ていて、気持ちのいいものでした。
また、音や光、時には、声や息づかいまでもが、映画に深みを与えていて、
感覚に訴えかけてきます。
それこそ、失くした心を呼び戻すかのように。
それにしても、ペ・ドゥナさんは、素晴らしかったです!
あの存在感は唯一無二です。