
2025年4月9日
- #本
- NEW
『問題。 以下の文章を読んで、家族の幸せの形を答えなさい』
今日の午後、今年の本屋大賞が発表されました。
◎結果は コチラ
今年大賞となったのは、阿部暁子(あきこ)さんの『カフネ』(講談社)でした。
おめでとうございます。
ノミネート作はだいぶ読んだのに、この本は読んでいなかったー。
近々読んでみようと思います。読むの、楽しみ!
また、2位以下の作品も面白いのでぜひ読んでみてくださいね。
例えば、惜しくも 2位だった早見和真さんの『アルプス席の母』(小学館)も良い本ですよ。
◎田島の本紹介は コチラ
今日は早見さんの新刊をご紹介します。
『問題。
以下の文章を読んで、家族の幸せの形を答えなさい』
早見和真(はやみ・かずまさ)
朝日新聞出版
『アルプス席の母』は甲子園を目指す息子と母の物語でしたが、
新刊で描かれるのは「中学受験」です。
それも受験生の娘と父を中心とした家族の物語です。
ところで、本のタイトルにもある「家族の幸せの形」、あなたはわかりますか?
これは主人公の小学6年生の十和(とわ)が通う塾のテストで出題されたものなのですが、
彼女はその答えがわかりません。
なんなら「そんなのあるなら私が知りたいよ」と逆ギレしてしまうほどです。
十和はいつも苛立っていて、家族と一緒にいたくないと思っています。
そんなにイライラするって、いったいどんなひどい家族なのよ?と思えば、
父は優しく母は楽しい人で妹もかわいいという、周りから見れば幸せな家族です。
十和自身もそのことをわかってます。
でも十和の心はすさんでいます。
そんな十和に母は塾に通って中学受験するように言います。
でも十和には特に行きたい学校はなく、塾には通うものの成績は決して良くはなりません。
ですが、祖母の家へ遊びに行ったことで、彼女の気持ちに変化が生じます。
十和は東京の吉祥寺で家族と暮らしているのですが、祖母は大阪で一人で暮らしています。
オシャレでカッコいい祖母は十和の一番の理解者です。
大阪で祖母と一緒に過ごす中で十和は
「大阪の私立中学に行きたい。そして、家族と離れ、祖母の家から学校に通いたい」
と思うようになります。
ところが父は反対します。家族が離れ離れになるなんてダメだと。
でも、あることを条件に十和の希望を受け入れます。
そして、十和は受験と向き合うことになります。
常にイライラしていた十和でしたが、
目標が定まった途端、人が変わったようにやる気を見せます。
ここから物語は一気に加速していきます。
果たして十和は無事合格できるのか。
そもそもなんでずっとイライラしていたのか。
父の出した条件とは。
そして、家族の幸せの形とは。
これらの答えは本を読んでご自身でお確かめください。
✳︎
中学受験のお話と言うと、子どもの成長物語かな?と思われるかもしれませんが、
この物語で描かれるのは家族の成長です。
それも子どもの視点で描かれているのがポイントです。
とてもいいお話でした。
特に十和のお父さんをはじめ、大人たちの放つさりげない一言が良かったです。
例えば「いま自分の全てだと思っていることは、意外と全てじゃない」とかね。
受験生の皆さんは、気晴らしにこの本を読んでみては。
受験や将来に対しての不安が少し和らぐのではないかしら。
それに具体的な勉強の仕方も学べます。
また、中学受験がモチーフとなっていますが、
家族の物語ですので、大人の皆さんもぜひお読みください。
私はいい涙を流せました。
それから、この作品には早見さんの人気シリーズ
『店長がバカすぎて』の山本店長も登場しています。
そして、山本店長もこの本を推薦しています。(笑)
これを機に『店長がバカすぎて』シリーズもあわせて読んでみては。
より楽しめると思いますよー。
-
プロフィール
田島 悠紀子
Tajima Yukiko
7月13日生まれ。群馬県出身。
B型。 -
担当番組
・富山ダイハツ オッケイウィークエンド
(毎週土曜 11:00~11:55)・ヨリミチトソラ
(毎週水曜・木曜 16:20~19:00) -
最新の記事
-
テーマ
-
月別
2025年
2024年
2023年
2022年
2021年
2020年
2019年
2018年
2017年
2016年
2015年
2014年
2013年
2012年
2011年
2010年
2009年
2008年
2007年
2006年