ゆきれぽ

2025年2月12日

  • #本

『禁忌の子』

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先日、今年の本屋大賞のノミネート作品が発表されました。
今やすっかりおなじみの本屋大賞ですが、今回で22回目だそうです。
大賞を受賞した作品は毎年大きな話題となります。
映画化される作品も少なくありません。

今年の大賞発表は4月9日です。
どの作品が大賞となるのか楽しみですが、ただ発表を待つだけでなく、
皆さんもノミネートされた10作品を読んで予想してみてはいかがでしょう。

◎本屋大賞の公式サイトは コチラ

ちなみに、ノミネートされた作品の中には、
ラジオで紹介した作品も結構入っています。嬉しい~!

さて、今日はせっかくなのでノミネートされた中から、
まだラジオで紹介していない作品をピックアップしてご紹介します。

『禁忌の子』
山口未桜(やまぐち・みお)
東京創元社

今話題の医療ミステリです。
著者の山口さんは、医師として働きながら、小説を執筆されているそうです。
そして、この作品で第三十四回鮎川哲也賞を受賞しデビューされました。
(鮎川哲也賞は、東京創元社が主催するミステリの新人賞です)
つまり、デビュー作がいきなり本屋大賞にノミネートされたわけです。

また、本の最後には選考委員の選評が載っているのですが、
委員全員から評価が高く、絶賛されています。

そんな話題作『禁忌の子』は、内容を知らずに読んだ方が楽しめると思いますで、
私からはほんの少しだけご紹介しますね。

主人公は、救急医の武田です。
ある日、武田のもとに身元不明の溺死体が搬送されてきたのですが、
その顔を見てびっくり。なんと自分と瓜二つだったのです。

あまりにも似ていることから、自分と何か関係があるのではないかと思った彼は、
同じ病院で働く医師の城崎(きのさき)と共に調査を始めます。

実は武田と城崎は中学時代の同級生なのです。
また、城崎は探偵役としてもぴったりな人物です。

自分と瓜二つの遺体はいったい誰なのか。
どうして同じ顔をしているのか。
そもそも彼はなぜ亡くなったのか。

そして二人はついに鍵を握る人物を見つけるのですが…
この先は本を読んでお確かめください。

「この人怪しそう。多分こんな話かな?」
という私の予想は、口にするのも恥ずかしいほど的外れ。
全く予想していない結末が待っていました。

先週ご紹介した『ペンギンは空を見上げる』は「本だからこそ楽しめる」と言いましたが、
この『禁忌の子』も本ゆえの面白さ、驚きがありました。

また、この本は没入感がありました。
現役の医師だからこそのリアルな描写はもちろん、
作品の中の出来事は自分とは関係が無いはずなのに、
もし自分だったら?と考えずにはいられなくなる魅力があるのです。

一度読み始めたら途中でやめられなくなりますので、
お時間のある時に読み始めるようにしてください。
寝る直前などには決して読まぬよう。(笑)

ところで、この本を最後まで読んだら、このような情報が載っていました。

シリーズ第2弾、今年刊行予定!と。

なんとシリーズ化が決定したようです。
こちらも読んでみたい。