
2025年1月29日
- #本
『眠れないほどおもしろい蔦屋重三郎』
いつもこのブログをお読みくださり、ありがた山の寒がらす!
「お、蔦重(つたじゅう)だね!」と気付いた方は、
このドラマを見ているってことですよね。
横浜流星さん主演の今年の大河ドラマです。
今回は、横浜さん演じる蔦重こと、蔦屋重三郎の物語です。
蔦重は、写楽、歌麿といった絵師たちを見出し、
次々と本や浮世絵のヒット作を出した
「江戸の天才プロデューサー」と言われる人物です。
今や世界的に名前が知られる北斎の才能にも早くから目をつけていたそうですよ。
北斎と言えば、先日、大相撲初場所を見に両国国技館に行った際、
近くの「すみだ北斎美術館」にヨリミチし、
北斎漫画をはじめ、北斎の作品を楽しんできました。
3月からは蔦重絡みの展覧会が行われるそうで、また見に行きたいなー。
話がそれましたが、そんな令和の今でも知られているような天才絵師たちと
深く関わっていたのが、蔦重こと蔦屋重三郎です。
ですが、恥ずかしながら私はドラマを見るまで蔦重のことを知りませんでした。
そこで、一度しっかり学んでみたいと思い、この本を読んでみました。
『眠れないほどおもしろい蔦屋重三郎』
板野博行
三笠書房
王様文庫
たしかに一気読みの面白さでした。
というのもの、ただ蔦重について紹介しているのではなく、
蔦重によってプロデュースされた浮世絵師のひとりである
山東京伝(さんとう・きょうでん)がナビをしているのです。
山東京伝は文と絵の二刀流で活躍した人物で、
大河ドラマでは古川雄大さんが演じられるようです。
この山東京伝の江戸っ子言葉で語られるので、楽しく読めます。
「ありがた山の寒がらす」、「合点承知之助」のような無駄口もたくさん出てきます。(笑)
無駄口は当時の江戸では流行っていた言葉遊びのことで、大河でも蔦重がよく使っています。
なお、巻末には無駄口一覧も載っています。
さて、蔦重は田沼時代と言われる江戸中期に吉原で生まれ育つのですが、
吉原は一種の文化サロンでもあって、ここから江戸の文化が生まれていったそうです。
蔦重もここで才能ある人たちと出会い、交流し、江戸のメディア王となりました。
貸本業から始めた蔦重は、その後、版元(出版社)として
本や浮世絵などのヒット作を生み出していきます。
この本では、そんな蔦重についてはもちろん、仲間たちの活躍も描かれています。
マンガや人物相関図などもあるので、
登場人物は多いものの、こんがらがることなく読むことができます。
また、江戸っ子たちは無駄口をはじめ、だいぶふざけていて…
いや、遊び心があるので、ノリがよく楽しい雰囲気です。
例えば当時、文人たちはペンネームをつけて作品を発表していたそうですが、
中には「田舎老人多田爺(いなかろうじんただのじじい)」
などというふざけた名前をつけた人もいたのだとか。(笑)
ちなみに滑稽文学を発明した人だそうです。
山東京伝の分かりやすくテンポのいいナビのおかげで、
まるで江戸時代にタイムスリップした気分で楽しめました。
また、蔦重の何がすごいのかももちろん分かります。
私は気配り上手なところが印象に残りました。
だから多くの人に好かれ、みんなが彼と仕事をしたいと思ったのでしょうね。
この本を読めば、始まったばかりの大河ドラマもより楽しめると思います。
皆さんもぜひ読んでみてください。
よろしく三十六!(4×9=36。これも江戸時代の無駄口です)
やばい。無駄口が癖になってきた。(笑)
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プロフィール
田島 悠紀子
Tajima Yukiko
7月13日生まれ。群馬県出身。
B型。 -
担当番組
・富山ダイハツ オッケイウィークエンド
(毎週土曜 11:00~11:55)・ヨリミチトソラ
(毎週水曜・木曜 16:20~19:00) -
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