ゆきれぽ

2025年1月8日

  • #本

『地雷グリコ』

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2025年になりました。
今年も毎週水曜のヨリミチトソラでは、
このブログとの連動で本の紹介をしていきます。
どうぞよろしくお願いします。

今日は今年最初のゆきれぽですので、明文堂書店とのコラボ回です。

明文堂書店 高岡射水店の書籍担当 野口さんのオススメ本の紹介です。

『地雷グリコ』
青崎有吾(あおさき・ゆうご)
株式会社KADOKAWA

こちらは2023年11月の発売以来、次々に様々な賞を受賞してきた超話題作です。

4大ミステリランキングすべてで第1位を獲得したほか、
第37回 山本周五郎賞を受賞、さらに第171回 直木賞候補にもなるなど、
ずっと話題になっている一冊です。
売り上げもすでに10万部を突破したのだとか。

野口さんもだいぶ前から「この本面白いよ!」とおっしゃっていましたので、
私も読むのを楽しみにしていました。

ただ、『地雷グリコ』というタイトルを見ても
私には、まったくどんな話かわかりませんでした。

地雷グリコはゲームの名前です。
んー。そんなゲーム知らない…という方でもグリコならわかるのでは?
じゃんけんをして、グーで勝ったらグ・リ・コと3歩前に進める、あのゲームです。
私も子どもの頃によくやりました。

地雷グリコは、基本的なルールは同じですが、
対戦相手の仕掛けた地雷(罠)を避けながらおこないます。

そんなちょっと変わったオリジナルゲームに挑むのは、
高校生の射守矢真兎(いもりや・まと)です。

彼女は、今にも肩からずり落ちそうな、ぶかぶかのカーディガンをはおって、
いちごオレを飲んでいるような、一見ふわっとした感じの女子なのですが、
勝負事にやたらと強いため、風変わりなゲームに次々に巻き込まれてしまいます。

そして、このゲームというのがどれも面白いのです。
たとえば、百人一首の絵札を用いた神経衰弱、その名も「坊主衰弱」、
グーチョキパー以外のオリジナルも加わった「自由律ジャンケン」、
「だるまさんがころんだ」ではなく「だるまさんがかぞえた」など、
知っているけど、なんかちょっと違う。そんなゲームが次々に出てきます。

どのゲームもゆる~く楽しめそうな感じですが、
高校生たちは毎回、真剣勝負の頭脳戦でおこないます。
運に任せて楽しもー♪なんて雰囲気はありません。
どうしたら相手に勝てるのか、徹底的に考え抜きます。

一見ゆるそうなゲームでも、真面目に勝負する様には惹きつけられるもので、
私も最初は「何だ、そのゲーム!(笑)」と本に向かって突っ込んでいましたが、
気付けば夢中でゲームの行方を見守っていました。

また、この小説には、そんなドキドキ感だけではない魅力もあります。
主人公たちの友情物語としても楽しめるのです。そして、それがとてもいいの。
そのバランスも絶妙で、最後まで楽しく読めました。

ではここで、この本を大プッシュされている
明文堂書店 高岡射水店 書籍担当 野口さんのコメントをご紹介します。

*

子どものころの懐かしい遊びに思わず親近感を覚えました。
が、巧みな心理戦に、思考フル回転してみてもさっぱりわからず、
魅力的な高校生におまかせ状態になりました。
ミステリー賞総ナメ作品、是非、お読みください!

*

私もどの勝負も、まったく勝てそうにありませんでした。
それどころか、そんな手があるとは!と驚くばかりで、
読んだ後は頭の中が柔らかくなった気がしました。
自分にはない新しい視点を知るのは楽しいものです。

また、テレビやスマホのゲームではなく、
超アナログのオリジナルゲームで
今どきの高校生たちが勝負するのもいいなあと思いました。

ですから、ゲームはしないからわからない、
という大人の皆さんも安心してお読みください。

『地雷グリコ』は、富山県内の明文堂書店全店
「ヨリミチトソラ ゆきれぽコーナー」にもありますので、
ぜひチェックしてみてね♪

◎明文堂書店のサイトは コチラ