『図解・気象学入門 改訂版 原理からわかる雲・雨・気温・風・天気図』
2024年6月19日
昨日のニュースで「線状降水帯」という言葉を何度も耳にしました。
実際には発生しなかったようですが、
「線状降水帯」が発生している時、
雲のかたまりを気象衛星などの画像で見ると、
「にんじん」のような形をしているそうですよ。
また、今週は、遅れている梅雨入りの話題も多いですね。
そろそろ今週末あたりには梅雨入りするのでは、と言われていますが、
この梅雨、日本の西と東で性質が異なるそうなんです。
今日は、そんな気象に関する本をご紹介しましょう。
『図解・気象学入門 改訂版 原理からわかる雲・雨・気温・風・天気図』
古川武彦
大木勇人
講談社
この本は、2011年3月に出版された『図解・気象学入門』の改訂版です。
2011年は「線状降水帯」という言葉を耳にすることは無かったですよね。
改訂版は、そういった新しい気象用語を追加し、
さらにわかりやすくするための修正や補充を行った最新完全版だそうです。
「気象学」とは、気象への疑問を解き明かす学問のことで、
「天気予報」の技術の基礎だそうです。
ですから、気象学を学ぶことで、天気予報の理解が深まるというわけです。
そして、この本は、天気予報や気象学の専門家と
理科の教科書作りの専門家のお二人が、
話し合いを重ねて執筆をすすめられたそうで、
まさに教科書のような一冊となっています。
知識の紹介ではなく、
「しくみ」を「なるほど」と深く理解できるような解説を心がけられたそうで、
本のタイトルに「図解」とあるとおり、目で見てわかる内容になっています。
例えばどんなことが書かれているのか、いくつか紹介しますね。
空に浮かぶ雲は、どれくらいの重さかわかりますか。
なんと数十トンもあるんですって。
それなのに落ちてこないのはどうしてでしょう。
ちなみに、雲の寿命は短くて、せいぜい数十分だそうです。
それから、「大気の状態が不安定」という言葉を耳にしたことはありませんか。
それ、どういうことかわかりますか。
また、そろそろ25度を下回らない「熱帯夜」の日がやってきますが、
「熱帯夜」となるのはなぜでしょう。
一方、砂漠では、日中気温が高くても夜は急激に気温が下がりますよね。
その理由はわかりますか。
言葉は聞いたことがあっても、
なぜそうなるのか、その理由やしくみまでは知らないということが、
気象に関しては多いように思います。
この本では、その「しくみ」をわかりやすく解説していますので、
気象に関する気になる疑問が解決します。
大変勉強になった一冊でした。
中でも私が印象に残ったのは、天気予報に関することです。
天気予報と言うと、富山の皆さんの場合、
富山の天気だけを見ていると思いますが、
予報をする際は、富山だけを見ればいいわけではないようなのです。
と言うのも、地球の裏側の気象がたった数日で日本に影響してくるので、
数日後の予報を行うには、地球大気全体を扱わなくてはならないのですって。
地球全体ってすごい…。
これからは天気予報の見方も変わりそうです。
この先、梅雨をはじめ、夏の夕立、台風など、
天気に左右されることが多い季節になっていきます。
ぜひあなたもこの本で「気象」について学んでみてはいかがでしょう。