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『レーエンデ国物語』1〜3

2023年11月29日

この一週間、私は毎晩ある本を読み続けていました。
お酒好きの私が飲みのお誘いも断わり(笑)、
まっすぐ家に帰って読んでいたのは、こちら。

『レーエンデ国物語』
多崎礼(たさき・れい)
講談社

今年の6月に発売された話題のファンタジーです。
本屋さんに行く度、ずっと気になっていました。

だって、おなじみの明文堂書店 富山新庄経堂店には、
ヨリミチトソラのコーナーと同じ並びに
レーエンデ国物語のコーナーがあるんすもの。(笑)

さらに、8月にシリーズ第2巻の『レーエンデ国物語 月と太陽』が、
10月には第3巻『レーエンデ国物語 喝采か沈黙か』が発売され、
なんだか置いていかれている気分になり(笑)、ついに読むことにしました。

ちなみに3冊合わせて約1500ページあります。

と聞くと、うっ、それは読めそうにない。
と思う方もいるかもしれませんが、ご安心ください。

すらすらすいすい読めますので!

頭の中に物語の世界が鮮やかに広がり、
私は本を開くたびに、まるで物語の世界の扉を開いている気分でした。

最初の物語は、貴族の娘・ユリアが誕生したところから始まります。
成長したユリアは英雄の父と共に、
呪われた土地と言われる「レーエンデ」へと旅に出ます。

しかし、ずっと家に縛られてきたユリアにとって、
レーエンデは怖い場所ではなく、憧れの土地なのでした。

そのレーエンデでユリアは初めての経験をたくさんします。
友達ができたり、仕事をしたり、恋をしたり。
色々ありながらも満たされた日々を送るユリアでしたが、
彼女はレーエンデ全土の争乱に巻き込まれていくことになります。

まさに王道ファンタジーの魅力が詰まった一冊でした。
不思議な森の美しさや妖しさ、そしてユリアの恋など、純度高めの物語でした。



第2巻の『レーエンデ国物語 月と太陽』は、
ユリアの物語から100年以上後のお話です。

少年ルチアーノが、レーエンデの村に住む怪力の少女テッサと出会い仲良くなります。
しかし、テッサは村の危機を救うため、戦場に出ることを決めます。

こちらは、自分たちの世界を守るべく戦う者たちの
様々な「強さ」を感じた物語でした。

第3巻の『レーエンデ国物語 喝采か沈黙か』は、
さらに約100年後、今回は双子の男子のお話です。

双子の兄は、レーエンデの天才劇作家です。
一方の弟は、俳優をしています。

ある日、兄のもとに人気演出家から戯曲の執筆依頼が届きます。
兄が題材に選んだのは「隠されたレーエンデの英雄の物語」です。
その英雄の真実を知るため双子の二人は旅に出るというお話です。

3冊それぞれに面白かったのですが、
私はこの双子の物語が一番好きでした。

物語の中に、生の舞台が挟み込まれることで緊迫感が増し、
ドキドキしながらもページをめくる手が止まりませんでした。

また、人間の弱さを描いているところにも惹かれました。
自信が無かったり、嫉妬してしまったり、そんな自分を嫌だと思ったり、
人間味あふれるところがいいなあと。

3冊ともレーエンデの物語なのですが、その内容は大きく異なります。
もちろん軸の部分では繋がってはいるのですが、
時代も登場人物たちも異なりますので、もはや別の物語としても読めるほどです。
そして、それこそがこの物語の魅力だなあと思いましたし、
次はどんなお話だろうと次回作が待ち遠しくなりました。

実はレーエンデ国物語は、まだ終わっていません。
来年には、第四巻、第五巻も発売予定だそうです。
今から楽しみー。

あなたもこの冬、レーエンデ国に入国してみませんか。

そうそう!
読んでみたい方は、まずは公式サイトをチェックしてみるのもいいかも。
作品の世界観を様々な角度から味わえますよ。

◎レーエンデ国物語の公式サイトは コチラ

yukikotajima 12:53 pm