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『続 窓ぎわのトットちゃん』

2023年11月1日

あなたが子どもの頃に読んだ本で印象に残っているのは、どの本でしょうか。

私は何冊かありますが、そのうちの一冊は『窓ぎわのトットちゃん』です。

女優の黒柳徹子さんがご自身の小学生時代を描いた自伝的物語です。
いわさきちひろさんによる女の子の絵の表紙でおなじみですね。
国内では800万部、全世界では2500万部を超える大ベストセラーとなっています。
そんな世界中で愛されている作品の続編が先日、発売されました。

『続 窓ぎわのトットちゃん』
黒柳徹子
講談社

なんと42年ぶりの続編です。

そして、今日は11月の第1水曜日ですので、こちらは、
明文堂書店 富山新庄経堂店 文芸書担当 野口さんのオススメ本です。

先にこの本を読んだ野口さんから「面白かったの一言につきる」と言われ、
私も早く続編を読みたい!と思いながらも、
まずは久しぶりに『窓ぎわのトットちゃん』から読んでみました。

再読は、まるで子どもの頃のアルバムをめくっている感覚でした。
私はトットちゃんとは全然違う子どもだったのに、
この作品が過去の思い出の一つになっていました。
きっと私と同じように感じる方も多いかもしれません。

子どもの頃は、トットちゃんのマイペースっぷりに
「ここまで自分の気持ちに正直になっていいのか」と思ったものでしたが、
再読して感じたのは、トットちゃんが心のままにいられたのは、
トモエ学園の小林宗作(そうさく)校長先生のおかげだったのねということです。
久しぶりに読んだら、小林先生の素晴らしさに心を打たれました。

小学1年生で小学校を退学となったトットちゃんでしたが、
転校したトモエ学園では、のびのびとした日々を送ります。
『窓ぎわのトットちゃん』には、そんなトモエ学園での日々が描かれています。

なお、12月8日には、アニメーションとして初めて映画化されるようですよ。
映画も楽しみ!

◎映画の公式サイトは コチラ

さて、『窓ぎわのトットちゃん』は、
東京大空襲の数日後に青森に疎開するところで終わっていますが、
続編は、そこから物語が始まります。
つまり戦争の話が中心になっています。

続編を書くきっかけの一つが、
黒柳さんが体験した戦争のことを書き残しておきたいと考えたからだそうです。

実際、続編には戦時中の過酷な日々が描かれています。
でも、トットちゃん節はそのままですので、どこかユーモラスでもあります。
また、ただ嘆くだけでないたくましさも感じ、
私もこんな風に生きていきたいと思いました。

大人になってからの日々は、思わず声を出して笑ってしまうほどの面白さです。
例えば、NHK専属のテレビ女優第1号となったトットちゃんは、
ラジオドラマで、その他大勢の声をすることになるのですが、
どうしてもトットちゃんだけ目立ってしまうのです。

決してふざけているのではなく、
真面目に考えた結果、そうなってしまっただけでなのですが、
いかにもトットちゃんらしいエピソードだなと思いました。

ちなみに、これは、以前NHKで放送されていたドラマ
「トットてれび」にもあったシーンだったので、
当時、トットちゃんを演じていた満島ひかりさんの顔が浮かんでしまいました。

大人になっても、また、どんなときでも「トットちゃん」らしさは変わらず、
そんなトットちゃんに、笑いながらも愛おしくて泣けてきて、
続編も最後のページまで楽しませていただきました。
寅さんこと、渥美清さんんとのエピソードも良かったです。

決して難しい言葉は使わず、
まるでトットちゃんが喋っているかのような易しい文章ですので、
大人の皆さんだけでなく、お子さんたちもぜひ読んでみてください。

最後に、明文堂書店 富山新庄経堂店 野口さんのコメントをご紹介します。

「子供のころ、従姉妹と二人で『窓ぎわのトットちゃん』を買ってもらいました。
『きみは、本当は、いい子なんだよ』という校長先生の言葉が、
大人になった今でも、私を支えてくれています。
続編が出版されると知って、感激しました!
続編は、どのエピソードも鮮明、かつ生き生きと描かれていて、胸にジーンときます。
永遠不滅のトットちゃん、是非お読みください!」


今日ご紹介した『続 窓ぎわのトットちゃん』は、
富山県内の明文堂書店全店「ヨリミチトソラ ゆきれぽコーナー」にあります。
ぜひ大ベストセラー『窓ぎわのトットちゃん』とあわせて読んでみてくださいね。

◎明文堂書店のサイトは コチラ

yukikotajima 10:53 am