大竹伸朗展
2023年8月23日
今日の「ゆきれぽ」は、アートの話題。
現在、富山県美術館で開催中の話題の企画展「大竹伸朗展」をご紹介します。
大竹伸朗(おおたけ・しんろう)さんは、
愛媛の宇和島を拠点に制作をおこなう美術界のカリスマです。
宇和島と言えば、今、富山県美術館が
「宇和島駅」になっているのを見たことがある方もいるのでは。
大竹さんと言うと、分厚いスクラップブックや
スナックの看板をモチーフにした代表作《ニューシャネル》
からうまれた大竹文字などが有名です。
今回、展覧会を見て、勝手ながら「ヨリミチトソラ」と重ねてしまいました。
大竹さんは作品を作るにあたって、
最短距離はつまらない。まわり道がいい。
偶然がいい。人が考えることには限界があるから。
とおっしゃっているのです。
まさに「ヨリミチ」じゃないですか?
何より「偶然」を大切にし、計算通りにやっても面白いものはできないと言います。
そんな大竹さんが生み出す作品からは、強烈な個性が感じられました。
今回の企画展は、およそ500点の作品が
7つのテーマに基づいて構成されているのですが、
いつもの美術館とはだいぶ異なる雰囲気で、
自分がどこにいるのかわからなくなるほどでした。
大竹さんの作品は色々ありますが、
中でも厚紙や木などの様々な素材をペタペタと貼っていくスタイルは、
大竹さんを代表する制作方法です。
この貼り重ねられた様は、生で見ると、
素材の質感や層の厚みがよくわかって面白かったですし、
見ているうちに自分もやってみたくなるもので、
家に帰ったら真似してみようかなと思っていたところ、
3階のアトリエ・ラボでできました!
こちらでは、大竹さんと同じ表現手法で作品を作ることができる
ワークショップを開催しています。
白い紙に会期が終わった美術館の企画展のチラシなどを
好きなように切って貼っていくのですが、
何も考えずに思いつくまま貼ることの、なんと自由で楽しいことか。
ストレス発散にもなりました。
ちなみに、私の作品は会場に残してきましたので、良かったら見つけてみてください。
さて、会場には他にも様々な作品が展示されていまして、
例えば、世界的な芸術祭であるドイツのドクメンタに出展された
大型インスタレーション《モンシェリー:スクラップ小屋としての自画像》や
遠隔操作による無人バンド《ダブ平&ニューシャネル》といった代表作もあります。
27日(日)には、大竹さんによる《ダブ平&ニューシャネル》の
デモンストレーション(演奏)が行われるそうです。
詳しくは、富山県美術館のサイトでご確認ください。
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ところで、今回、美術館に二日連続で行きました。
と言うのも、初日は夕方に行ったため、
朝しか見られない特別な光景を見られなかったのです。
こちらはガラス面を用いた新作です。
ガラスに貼られた作品が床にうつって幻想的でした。
この光景は朝10時くらいまで見られるそうですよ。
二日目は99分にもわたる大竹さんのドキュメンタリーも見ました。
大竹さんが作品をどのように生み出していくかや、
どんな思いで作品を作っているのかがわかり、とても面白かったです。
例えば、大竹さんにとって厚紙(ダンボール)は、
破くことで素材が限りなくとれる面白い素材なんですって。
ダンボールと言えば、昔から富山県美術館にある
大竹さんがダンボールで作った「男」という作品も展示されています。
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最後に、「大竹伸朗展」の私のオススメの鑑賞方法をご紹介します。
朝9時30分に来て、まずはガラスの作品を鑑賞。
その後、99分のドキュメンタリーを見て予習。
ランチをはさんでから、ゆっくり作品鑑賞。
あわせて常設展もぜひ。常設の方にも大竹さんの作品があります。
鑑賞後は3階のアトリエ・ラボのワークショップで作品作りをして、最後はショップへ。
なんと富山県美術館限定Tシャツもあります!
ということで、一日コースで楽しんで頂くのがベストかと。
ぜひ次の休日にでも大竹ワールドに浸ってみては。
「大竹伸朗展」は、富山県美術館で9月18日(月・祝)までの開催です。
◎富山県美術館のサイトは コチラ
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