58・59 映画の原作本
2009年10月26日
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★『きのうの神さま/西川美和』
1冊目は、すでに富山での公開は終わってしまいましたが・・・
映画監督でもある西川美和さんの『きのうの神さま』です。
笑福亭鶴瓶さん、瑛太さん出演の映画
『ディア・ドクター』のアナザーストーリーです。
第141回直木賞候補作でした。残念ながら直木賞には選ばれませんでしたが。
小説は、短編集です。
読みながら、いつになったら、映画のお話が出てくるんだろう、
と思っていましたが、はっきり言って別物でした。
と言いつつ、僻地医療を描いているという点では、重なるところもありますが。
それぞれの作品の描き方が異なり、
まったく別の作家さんたちの本を読んでいるような気持ちにもなります。
話を膨らませるだけ膨らませて、
最後はストンとあっけなく終わってしまうものもあれば、
途中まではあやふやなままで
最後の一行で話がキレイにまとまったものもあります。
でも、実際のところ、私たちの日常というものもそういうものなのかもしれません。
すっきり終わる出来事もあれば、そうでないこともありますよね。
ある人の生活をまるでこっそり覗いているような作品でした。
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★『引き出しの中のラブレター /新堂冬樹』
こちらは、現在も公開中の映画の原作本です。
ストーリーは映画と同じです。
ただ、原作の方がより丁寧に描いていて、登場人物も多いですが。
映画は映画でよかったのですが、
私自身も同じ仕事をしているため、
映画を見ながら、正直言って、
これはリアルじゃないなあと思った箇所もあったのですが、
原作本を読んで、そういうことなら、ありだな、と思えました。
(できれば、映画でもあのシーンは描いてほしかったなあ)
一度映画を見て、内容を知っているにも関わらず、
小説の方は、あらゆる場面が、とても丁寧に深く描かれているので、
映画を見た時以上に、感動しました。
泣きポイントが満載で、
家で一人で読んでいるのをいいことに、
思う存分、泣かせていただきました。
映画を見た後に、この作品を読むと、より深く作品と触れ合えると思います。
というか、映画を見て終わり、というのがもったいない!
この作品は、映画を見て、小説を読んで、
やっと1つの作品が完結するように思いました。
ちなみに、私がたくさん泣いたのには、理由があります。
ラジオをきっかけに、登場人物たちの心に変化が生じるのです。
みんな、自分の心に正直になるのです。
そこに感動したのです。
と同時に、ラジオのいいところは、これだ!と思いました。
普段の生活では、どんなに仲が良くても、
友人や家族に、実はすこし遠慮していて、
本音は本音でも、想いの8割くらいで止まってしまっていたりしませんか?
その残りの2割の本音をラジオにぶつけていただけたらな、と思いました。
今日も、あなたからのメッセージ、お待ちしていますよー。
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