51『ジョーカー・ゲーム』
2009年10月2日
数々の賞、日本推理作家協会賞、吉川英治文学新人賞を受賞し、
2009年本屋大賞にもノミネートされた、
超話題作、柳広司さんの『ジョーカー・ゲーム』を読みました。
第二次世界大戦時に陸軍内に設立された、スパイ養成学校「D機関」。
スパイものが好きな人には、この一文↑だけでもそそられるかもしれませんね!
実際に、その最初に抱いた期待を裏切らない1冊だと思いますよ〜。
ほんのすこ〜し、中身をご紹介すると…
D機関の超難関試験を突破した候補生は、一流のスパイになるための訓練を受けます。
外国語はもちろん、変装術や女性の口説き方まで。
そして、この「ジョーカー・ゲーム」は、長編小説ではなく、
魔王と呼ばれる結城中佐によって、一人前のスパイになった訓練生たちが、
世界各地でスパイとして活動している様子が、1話完結で書かれた短編集です。
ですので、1話ごと少しずつ読めます。
読書の秋にはぴったりです!
と言いつつも、面白いので、結局私は一晩で読んでしまいましたが。
本の帯には「スタイリッシュなスパイ・ミステリー」とあります。
確かに「自分は〜であります!」という、
その当時独特の言い回しが無ければ、
戦時中であることを忘れてしまいそうになるほどにクールでスタイリッシュです。
そして、頭脳明晰なスパイの皆さんがかっこいいの!!!
自分の名を捨て、ある人になりきり、スパイとして生きる中で、
心の中には本当の自分がいて、過酷な状況下で心の中では人間味を見せながらも、
自分以外の人間には、まったく弱みを見せないんです。
そのギャップが、非常によい!
だって、ただ完璧なだけなら、ロボットのお話にすればいいわけですし。
完璧なんだけど、ちゃんと人間らしさもあるところが、私は好きです。
そして!
なんと、この作品には続編が出ているそうです。
タイトルは、『ダブル・ジョーカー』。
うぅ、よ、よみたい!!!