38『用もないのに』
2009年7月24日
エッセイ『 用もないのに / 奥田 英朗 』を読みました。
私の大好きな作家さんといえば、奥田英朗さん。
『空中ブランコ』などの伊良部シリーズや、
アラサ—女子が主人公の『ガール』などで人気の作家さんです。
私は、奥田さんの小説も好きですが、エッセイも好きなのです。
野球(特に中日)が大好きな奥田さんが、プロ野球のキャンプの様子を見に、
全国各地を旅した様子を面白おかしく書いたエッセイ『野球の国』は、最高に面白かった!
このエッセイを読み、伊良部シリーズの伊良部は奥田さんそのものだ!と思ったものです。
ですので、最新エッセイ『用もないのに』も面白いに違いない、
と思って買ってみました。
今回は、北京オリンピックの星野ジャパンを見に行ったり、
ニューヨーク、フジロック、愛知万博に行ったりした時の様子が書かれています。
本音満載で、とにかく好きなように書いています。(笑)
今年もちょうど今日から始まったフジロックに行った時の様子は、
私自身行ったことがないけれど、まるで行ったような気分になるほど、
絵が見え、そして、身体が感じました。
雨にぬれ、歩きすぎて足が疲れ、文句を言いながらも、
好きなアーティストのライブを見て興奮し、元気を取り戻している様子が、
鮮明に表現されていました。
音楽のとらえ方にも共感できました。
「若者よ、いいと思ったらCDを買え!」を連呼していました。
音楽も聞かず、ただライブでワーワー騒ぎたいだけではダメだと。
フジロックで1万人集めたアーティストのCDが5000枚しか売れないのは間違っている、と。
奥田さんは、音楽にも精通していらっしゃるのです。
イヤミなオジサンのような時もある奥田さんなのですが、(笑)
でも、情けなかったり、
人として、それどーよ!と思わず突っ込んでしまいたくなる時もあったりして、
憎めないのです。
そして、その愛すべきへなちょこぶりが、かわいいのです。
(奥田先生、すみません)
ゆる〜く読めます。
夏は旅に出かけることも多いと思います。
旅のお供にもぴったりです。
きっと、愉快な旅になると思います。