ブログトップページはコチラ

39『怖い絵』

2009年7月27日

突然ですが、美術館で「絵」を見る時、
どのようにして、その絵を楽しんでいますか?
そして、想像していますか?

私は、絵は好きですが、
まったく知識が無いため、見方がわからずにいました。
なので、パンフレットなどを読んで、
付け焼き刃で得たばかりの知識をもとに、表面的に絵を見るだけでした。

ところが、先日、
「絵は見る」ものではなく、
「読む」ものかもしれない、
と思う本に出会いました。

『 怖い絵 / 中野京子 』です。

本のタイトルにある「怖い」絵というのは、
一目で怖いと思える絵、というわけではありません。
中には、そのような絵もありますが、
一見、どこが怖いのかわからない絵がほとんどです。

本の帯には「心の底からゾッとする、名画の見方、教えます!」とあります。

『怖い絵』は、「実は、こんな真実が隠されているんですよ!」
ということが、事細かに説明されている本です。

扱っている名画は、有名な西洋名画が20点。
まず、名画がカラーで紹介され、次のページから、その絵が読み解かれていきます。

絵を描いた画家の生い立ちや性格、その画家の絵の特徴の他、
その絵が描かれた当時の社会状況、その絵に隠された真実などが紹介されています。

例えば、学校の美術室で見たことのある方も多いと思います。
ドガの『エトワール、または舞台の踊り子』。

舞台上で白いチュチュを身に付けて踊る踊り子の絵です。
真っ暗な舞台の上でスポットライトを浴びて、透明感のある白さを放つ踊り子。
一見、主役を勝ち取って幸せに踊っているように見えますが…
踊り子の後ろには、男性の影が見えて、
この時代の歴史背景を見ると、この男性がどういう存在の人なのかすぐにわかります。

他にも、ホガースの描いた『グラハム家の子どもたち』という、
かわいい4人の子供たちの絵画は、どこにも不幸の片鱗は見えません。
ところが、子供たち以外の絵に目をやると、
不気味なものがたくさんあることに気付きます。
実際、ホガースがこの絵を描いた後、
絵が予知したとおり、悲しい出来事が起きてしまったそうです。

ご紹介した絵が想像つく方には、へ〜とおわかりいただけると思いますが、
まったく想像もつかない方は、頭の中が「???」ですよね。
是非、続きは、本を読んでください。

絵に興味がある方はもちろん、
私のようにまったく知識がなくても大丈夫です!

ただ、本のタイトル『怖い絵』の通り、怖いです。

私は、読んだ後からじわじわ怖さが広がっていきました。
「絵」の印象が強いので、エピソードと合わせて頭の中に残りやすいんです。

夏休みをお過ごしの学生さんもいらっしゃることと思います。(ウラヤマシー)
あ〜暇だ〜と思っているなら、是非!
この夏は、「絵」を読んでみてください。

ある意味、涼しい夏になるかも〜。

ちなみに、紀伊國屋書店でも非常に良く売れている人気本なんですって。
この本を読んで、この怖さにはまってしまった方は、
シリーズ3作目まで出ていますので、是非、読んでみてください!

yukikotajima 10:02 am