『少女マクベス』
2024年10月2日
ヨリミチトソラでは、毎週水曜の18時半過ぎから
このブログとの連動で本の紹介をしています。
また、毎月第一週は明文堂書店とのコラボでお届けしています。
今日は10月の1週目ということで、
本を愛する高岡射水店 書籍担当 野口さんのオススメ本の紹介です。
『少女マクベス』
降田天
双葉社
著者の降田天(ふるた・てん)さんは、
執筆担当の鮎川颯(あゆかわ・そう)さんと
プロット担当の萩野瑛(はぎの・えい)さんによる作家ユニットです。
これまで、第13回「このミステリーがすごい!」大賞や
第71回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞されています。
最新作『少女マクベス』は、演劇学校が舞台の学園ミステリです。
主人公は、女子生徒だけの演劇学校の3年生「さやか」です。
この学校には、脚本家や演出家などの作り手を目指す制作科と
演者を目指す俳優科があり、
さやかは制作科で劇作家を目指しています。
同学年には、同じく劇作家志望で天才と言われる「了」がいます。
了は生徒たちから神と崇められるほどでしたが、
ある日、自分の手がける演劇の上演中に舞台から転落死してしまいます。
この死は不幸な事故と片付けられたのですが、
事故の翌年に入学してきた新入生の「貴水(たかみ)」は、
みんなの前でこう宣言します。
「了の死の真相を調べに来ました」
そして、さやかは貴水に巻き込まれる形で、
了と関わりのあった生徒たちを調べていくことになるのですが、
それは、生徒たちの秘められた心の闇を暴いていくことでもありました。
果たして事故の真相とは。
また、それぞれの生徒たちが抱えているものとは。
その答えは、本を読んでご自身でお確かめください。
では、ここで明文堂書店 高岡射水店 書籍担当 野口さんのコメントをご紹介します。
才能とは持って生まれたものなのか、
はたまた努力の果てに辿り着くものなのか!?
一つの事件を巡って交差する証言と事実。
予想は裏切られました。
是非!今年最推しのミステリをお楽しみください!
***
私も裏切られました。(笑)
また、『少女マクベス』はミステリですが、
演劇を愛する少女たちの青春小説でもあります。
好きなことにまっすぐで、でも頑張っても思い通りにいかなくて、
挫折して、嫉妬して、落ち込んで、傷つけて、そして傷つけられて…。
野口さんもおっしゃっていますが、才能って何なんでしょうね。
一見華やかに見える少女たち一人一人が抱えているものが他人事とは思えず、
それぞれの気持ちが痛いほどわかりました。
本を読みながら心の中で何度「わかる」とつぶやいたことか。
ミステリとしての面白さはもちろんですが、
少女たちの青春小説としても読みごたえのある一冊でした。
ところで、本のタイトルにある「マクベス」は
シェイクスピアの四大悲劇のひとつですが、
マクベスと言えば、7月に紹介した『未必のマクベス』もマクベス絡みの作品でした。
またもやマクベス!と思いましたが(笑)、『少女マクベス』も面白かったです。
未必のほうは王が取り上げられていましたが、
こちらは魔女たちがクローズアップされています。
「ん?王?魔女?そもそもマクベスって何?」
という方でも楽しめますので、安心してお読みください。
公式サイトにはわかりやすいあらすじ漫画が載っていますので、
まずは予習がてらこちらから読んでみるのもいいかも。
◎公式サイトは コチラ
『少女マクベス』は、富山県内の明文堂書店全店の
「ヨリミチトソラ ゆきれぽコーナー」にもあります。
◎明文堂書店のサイトは コチラ
・