『ウエスト・サイド・ストーリー』『わたしのウエストサイド物語』
2022年2月23日
あなたには繰り返し何度も見ているお気に入りの作品はありますか。
私は『ウエストサイド物語』です。
始めて見たのは高校生の時、友人の舞台でした。
音楽もダンスもストーリーも何もかもがかっこよくて
何だこの作品!と衝撃を受けました。
その直後1961年版の映画を見てさらにはまって、
これまでに何度も繰り返し見ています。
また、少年隊、宝塚歌劇、劇団四季などの舞台も見に行きました。
その『ウエストサイド物語』をスティーブン・スピルバーグ監督が映画化すると知り、
どれだけ楽しみにしていたことか。
2月11日の公開直後に見てまいりました。
スピルバーグ版の『ウエスト・サイド・ストーリー』も素晴らしかったです。
◎映画の公式サイトは コチラ
この作品は「ロミオとジュリエット」をモチーフにしたミュージカルで、
ブロードウェイで1957年に初演されました。
1961年に映画化され大ヒット!アカデミー賞では作品賞など10部門を受賞しました。
そしておよそ60年の時を経て、スピルバーグ監督が映画化しました。
物語の舞台は、多くの移民たちが暮らす
1950年代後半のニューヨークのウエスト・サイドです。
プエルトリコ系移民の若者たちのグループ「シャークス」と、
ヨーロッパ系移民の「ジェッツ」は激しく対立しています。
そんな中、ジェッツの元リーダーのトニーが
シャークスのリーダーの妹であるマリアと恋に落ち、
物語が動き出します。
この作品の何がいいって、私が一番好きなのは音楽です。
最初から最後までどの曲も本当にかっこいい!
スピルバーグ版でも、おなじみの音楽が聞こえてきただけで
思わず涙が出てきてしまったほどです。
また、最初の映像から前作を意識した作りになっていまして、
うわ、こうきたか!とスピルバーグ監督の1961年版への愛、リスペクトを感じました。
でも、1961年版とは違う驚きや感動ももちろんありました。
様々な角度から撮影していることで作品に躍動感がありました。
例えば、シャークスとジェッツが両端から集まるシーンは上から撮影し、
人より先に大勢の影を見せることでよりシャープに感じられましたし、
街なかで「アメリカ」を歌いながら踊るシーンは
華やかでダイナミックでいきいきとしていて、
去年見た「イン・ザ・ハイツ」を思い出しました。
1961年版は舞台からの映画化ということで舞台っぽさがありましたが、
今回は街全体を使って撮影されていたことで
物語がよりリアルなものとして感じられました。
また、登場人物たちの心情がわかりやすくなっていたり、
現代的な感覚が取り入れられていたりと
今の時代にアップデートされた作品になっていたのも印象に残りました。
1961年版でアニタを演じたリタ・モレノが
別の役で再び出演しているのも感動的でした。
リタ・モレノのアニタも本当にかっこいいので、
スピルバーグ版をご覧になった方は、ぜひ1961年版もご覧くださいね。
そして1961年版と言えば、映画を見た後に本屋さんに立ち寄りましたら、
ある本が目に飛び込んできまして、
映画を見た直後の興奮もあり、思わず手に取ってしまいました。
前置きがかなり長くなりました。(笑)
今日ご紹介する本は、こちらです。
『わたしのウエストサイド物語
/ジョージ・チャキリス 訳:戸田 奈津子(双葉社)』
1961年の『ウエストサイド物語』で
シャークスのリーダー「ベルナルド」を演じた
俳優のジョージ・チャキリスの自伝で、
字幕翻訳家の戸田奈津子さんが翻訳しています。
去年アメリカで発売され、大きな反響を読んだそうです。
ジョージ・チャキリスは、1961年版でベルナルドを演じ、
アカデミー賞で最優秀助演男優賞を受賞しました。
そんな彼が、映画やダンス、音楽を好きになったきっかけや
『ウエストサイド物語』にまつわる裏話のほか、
『ロシュフォールの恋人たち』といった
これまでの出演作について語った一冊です。
『ウエストサイド物語』に関して言えば、
もともと彼は、舞台版のロンドン公演では
「ジェッツ」のリーダー「リフ」を演じていたのですが、
映画では敵対するグループのリーダーをすることになります。
この本には当時の正直な心の内が綴られています。
そのほか、映画で最初に撮影したシーンや、今でも大事にしているあるアイテムの話、
最初は「ウエスト」ではなく「イーストサイド物語」だったエピソードなど、
ファンにはたまらない内容になっています。
「ウエストサイド物語」が大好きな方は、
このジョージ・チャキリスの自伝もぜひ読んでみてください。
そして、本を読んだ後は1961年版の映画もまたご覧になってみてください。
私はこれまでに何度も見ているのに、また新しい視点で見ることができ楽しめました。