『声をあげて、世界を変えよう!』
2022年1月12日
おとといの月曜は「成人の日」でした。
新成人の皆さん、おめでとうございます。
大人の皆さんは、今の若者たちのことをどう思っているでしょうか。
大人はいつの時代も「今どきの若者は…」と否定的に見がちですが、
この本を読めば、きっと若者たちに対する印象が変わるはずです。
今日ご紹介する本はこちら。
『声をあげて、世界を変えよう! よりよい未来のためのアンダー30の言葉
/アドーラ・スヴィタク、訳:長尾莉紗、イラスト:カミラ・ピンヘイロ』
この本には、30歳以下の世界の若者45名の功績とスピーチが収録されています。
45人の中には、タリバンによって襲撃されたノーベル平和賞受賞者で
教育機会論者のマララさんや、環境活動家のグレタさんもいます。
また、今の時代の若者だけでなく、かつての若者たち、
たとえば、フランスの英雄ジャンヌ・ダルクや
1960年代や1990年代の若者もいます。
どの若者も常識を疑い、
おかしいことはおかしいと声をあげ、
どうしたらよくなるのか改善策を自分たちで考え、
実際に行動を起こしています。
「これ、おかしいよね?誰かやってくれないかな」ではなく、
どうしたらいいのか、自分で解決すべく行動に移しているところがすごい!
たとえば、設計者・発明家のケネス・シノヅカさんは、
アルツハイマー病を患う祖父が夜中にベッドから起きて
外にさまよい出てしまうことを心配し、靴下センサーを開発します。
その靴下を履いた人がベッドから出ると、
介護者にアラートが送られるという仕組みです。
なんと彼が14歳の時のことです。
ケネスさんは、スピーチでこう話しました。
「世界変えることは、ほんの小さな出来事をきっかけに、
ひとりの人間の手によって始まるのです」
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青少年の活動を支援する活動家のイシタ・カティヤルさんは、
「大人になったら何になりたい?」と子どもに尋ねるのをやめて、
子どもたちに今何ができるかを尋ねて、
その夢をサポートしてほしいと訴えます。
そして、今を生きることが、よりよい未来を創ると言います。
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起業家・服飾デザイナーのメガン・クラッスルは、
年齢の低い女子に合ったブラジャーが無いことに気付き、
妹やその世代の女子たちのために、
ネットで生地の仕入れ先を調べ、
仕立て屋さんやアパレル業界の大人たちに相談しながら
自ら作ってしまいます。
この低年齢向けの下着は大人気となり、
彼女は「タイム」誌の「最も影響力のあるティーン25人」
にも選ばれたそうです。
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他には、女の子の早すぎる結婚に反対する14歳の活動家、
廃品から音楽プレーヤーとラジオ送信機を組み立てた14歳の発明家、
北朝鮮を逃れてきた人権活動家、
12歳で報道メディアを立ち上げたジャーナリストなどもいます。
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大人になればなるほど、良くも悪くも現状を受け入れるというか、
考えることを放棄してあきらめてしまいがちですが、
若者たちは未来をあきらめていません!
この本は、彼らと同世代の10代から大人まで
多くの皆さんに読んで頂きたい一冊です。
きっと若者たちから気付かされることがあると思います。
そうそう、この本はカラフルでポップなイラストもいいんです。
この本に出てくる若者たちは写真ではなくイラストで描かれているのですが、
どの若者もピュアで力強いまなざしが印象的です。