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★2020年本ランキング★

2020年12月23日

今日は2020年最後のユキコレ(grace内の本紹介コーナー)ということで、
毎年恒例の田島が選ぶ本ランキング「ユキコレ ランキング」を発表します。

今年は、いや、今年も悩みましたー。

今年私が読んだ作品は、派手さはないものの
じんわり心に染みわたる作品が多かったように思います。

その中から本の世界に没頭した作品を選んでみました。

※本のタイトルをクリックすると、田島の本の感想ページが開きます。


1位:『小説伊勢物語 業平/髙樹のぶ子(日本経済新聞出版)』


在原業平が主人公とされる平安時代の歌物語
「伊勢物語」を現代語訳ではなく、小説化した作品です。

450ページをこえる本の厚みと重厚感あふれる装丁から
見た目は難しそうな気配を漂わせていますが、中身は軽やか。
リズミカルな言葉の響きが心地いい作品でした。


2位:『ライオンのおやつ/小川糸(ポプラ社)』


今年一番泣いた本です。
医師から余命を告げられた女性が人生の最後に過ごした
ホスピスでの日々が描かれています。

こちらも1位の作品と同じく表現豊かな文章で
声に出して読みたくなりました。


3位:『なぜ僕らは働くのか
‐君が幸せになるために考えてほしい大切なこと‐
/監修:池上彰(Gakken)』

こちらは小説ではありません。

監修を担当された池上彰さんが、将来の働き方について
中学生や高校生に考えてもらおうと思ってお作りになった本ですが、
大人にもオススメです。

池上さんによると、大人の方がこの本を読むと
「きっと初心に返って仕事への意欲が湧いてくることでしょう」
だそうです。

新しい年の一冊目にいかが?


以上、悩みに悩んで選んだ3冊です。
良かったら年末年始にでも読んでみてください♪

***

今年も一年、私のブログ「ゆきれぽ」(ほぼ本の感想)にお付き合いいただき、
ありがとうございました。

本の感想は、毎週水曜の13時45分ごろ〜の
grace内コーナー「ユキコレ」でご紹介しています。

来年最初の「ユキコレ」の放送日は、1月6日(水)の13時45分ごろ〜です。

なお、年内のgraceの放送は、明日12月24日が最後です。
(12月30日、31日は休止です)

それではよいお年を〜♪

yukikotajima 1:50 pm

『いつの空にも星が出ていた』

この間の日曜日、家のパソコンで
富山グラウジーズ対千葉ジェッツの試合を見ました。

Bリーグになってから富山はまだ一度も千葉に勝ったことがありません。
でも、今シーズンの富山は二日続けて負けていないのです。

だから昨日は千葉に負けたけど、今日は勝つはず!
と願いながら試合を見つめていました。

前半は終始、千葉がリードし、やはり今日も負けてしまうのか…
と思ったら、後半、選手たちが躍動し、ダブルオーバータイムに!

結果は129-130と惜しくも一点差で敗れてしまいましたが、
一瞬たりとも目が離せない大変面白い試合で、
私は興奮しっぱなしでした。

ドキドキしたり喜んだり泣いたり。

どんな人でも感じるままに感情を表に出せる
スポーツ観戦って、すごくないですか?

あなたには、そんな夢中になって見てしまうスポーツや
応援しているチームはあるでしょうか。


今日ご紹介するのは、横浜ベイスターズのファンの皆さんのお話です。

『いつの空にも星が出ていた/佐藤多佳子(講談社)』


本の表紙には夜のスタジアムのイラストが描かれ、
帯には「どこまでも熱くて、かぎりなく純粋な、人生と応援の物語」
とあり、なんだか明るそうな内容だし、
今年最後に紹介するのに良さそうだと思って選んでみました。

実は私、本を手に取った時は、
ベイスターズの本であるとは、まったく気付いていませんでした。

ちなみに、ベイスターズが好きなFMとやまの堀池アナに
この本をすすめたら、表紙を見るやいなや
「ハマスタだー!」と叫んでいました。(笑)
ファンはこの表紙を見ただけでわかるのですね。さすがです。
堀池さんは早速この本を購入したそうです。


今回の作品は、4つのお話が収録された短編集で
登場人物も、高校の先生、女子高生、
家業の電気店を継いだ若者、小学生の男子とバラバラです。

でも全員に共通しているのが、横浜ベイスターズが好きであるということ。

物語は、最初は1984年、次は1997年、98年と、お話ごとに時代が異なります。
それも昔から今へと進んでいきます。

その時代ごとの出来事や選手の名前も出てきますので、
ファンの方にはたまらないと思います。

でも、私のように詳しくなくても大丈夫!
野球や横浜ベイスターズのことがわからなくても
好きなスポーツやチームがある人ならきっと共感できると思いますし、
何よりそれぞれの短編が面白いのです。

私は1997年の女子高生の物語が好きです。

もともとは彼氏がベイスターズが好きで
一緒に応援しているうちに自分も好きになるという
ありがちなお話なのですが、それがいいのです。
彼女が本当にベイスターズのファンになる瞬間なんて最高です!
(詳しくは本を読んでね)

(また私がこの主人公と同世代ということもあり、
色々な意味で懐かしさもありました)

彼女の他にも、誰とも野球の話はしないけど家で一人で見ている人や、
好きな選手がチームから離れてしまったことで
試合を見なくなってしまったものの
やっぱり好きな気持ちがおさえられない人など、
様々なファンが登場します。

横浜ベイスターズファンや野球好きの方はもちろん、
ほかのスポーツでも応援しているチームがある方には、
ぜひ読んでいただきたい一冊です。

初めてファンになった時、
好きな選手が移籍や引退をした時、
チームがなかなか勝てずにいる時、
それぞれの瞬間の思いが素直な言葉で綴られています。

例えばこんな感じ。
87歳のおじいちゃんが小学生に言うセリフです。

「その気持ちをジジイになるまで持っていけ。

強い時も弱い時も、雨の日も風の日も、
フロントがクソでもベンチがアホでも、
チーム名が変わってもマスコットが変わっても」

言葉は汚いけど、かっこいい!
長くファンをしている人だからこその言葉です。

大変熱く面白い一冊でした。

yukikotajima 9:20 am