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令和と万葉集

2019年5月1日

今日から「令和」です。

新たな元号「令和」は、現存する日本最古の歌集「万葉集」を出典としています。

奈良時代に編纂された万葉集には、
天皇や貴族だけでなく、防人(さきもり)や農民まで
幅広い階層の人々が詠んだ約4,500首が収められています。

「令和」は、万葉集の中の「梅花(うめのはな)の歌三十二首」の序文から文字が引かれました。

「初春の令月にして、
気淑く風和ぎ、
梅は鏡前の粉を披き、
蘭は珮後の香を薫らす」

730年に大伴旅人が福岡県の大宰府で開いた宴の席で詠まれたものです。

安倍総理は令和について
「厳しい寒さの後に見事に咲き誇る梅の花のように、
一人一人の日本人があすへの希望とともに、
花を大きく咲かせることができる日本でありたいという願いを込めた」
と説明しています。

***

「令和」の出典が万葉集ということで、
いま空前の万葉集ブームとなっています。

先日訪れた紀伊國屋書店富山店にも「万葉集コーナー」がありました。

私もせっかくなら万葉集を学ぼう!と思い、
まず、高志の国文学館館長の中西進さんの『万葉の秀歌(ちくま学芸文庫)』
を買って読んでみました。
万葉集解説の決定版で、よく売れているそうです。

(付箋だらけですみません!)

文庫ですが1,600円+税と単行本と変わらないお値段です。
文庫としてはお高めですが、約550ページあり内容は充実していますので納得のお値段かと。
大変わかりやすく面白い一冊で、万葉集が好きになりました。

例えば、富山にもゆかりのある大伴家持は、音に敏感な詩人だったそうです。
音を聞きとめ、それから映像を組み立てていたのだとか。
実際、家持の歌には鳥のさえずりや風の音などが歌われています。

解説書というより、読み物として楽しめた一冊でした。

この本を読んで、さらに万葉集について知りたい!
と思い、先日、高岡市万葉歴史館に行ってきました。

令和発表後から万葉歴史館には大勢の皆さんが訪れているようですが、
なんと「令和」発表の2〜3時間後からお客様が増え始めたのだとか。
みなさん、はやい〜!

この万葉歴史館でも本を購入。
『よみたい万葉集(西日本出版社)』です。

こちらも万葉集の解説本なのですが、雑誌感覚で読めます。
本を読むのはちょっと苦手…という方でもきっと楽しめると思います。
オールカラーでイラストも多いため、気軽にページをめくることができます。
文章も普段の話言葉がそのまま使われていますので、それこそSNSを読む感覚で楽しめます。

例えば、令和のもとになった梅花の宴を開いた家持の父、大伴旅人のことを
「どこか夢見がちが感覚は、もはやセンチメンタル乙女」と解説し、
その息子、家持は「微妙にダメ男オーラを漂わせている」とあります。
でも知れば知るほど「仕方ない奴だなあ」と思わせる魅力もあるようですが。(笑)

どうですか?
万葉集が身近なものに感じられませんか?

万葉集の歌のやりとりは、今の時代に当てはめるならメールのようなものだそうです。

1300年前も現代と同じように
恋愛で悩んだり、美しい景色に感動したりしています。

せっかくの機会ですし、令和の始まりとともに「万葉集」に触れてみてはいかがでしょう?

また、富山は万葉集ゆかりの地でもあるので、
本を読んだ後は、県内のスポットまわってみてもいいかもしれませんね。

なお、万葉歴史館ではこの秋、
今日ご紹介した本『よみたい万葉集』のイラストを描かれた
絵本作家でイラストレーターの「まつしたゆうり」さんの
企画展が開催されるようですよ。

◎高岡市万葉歴史館のサイトは コチラ

yukikotajima 11:10 am