むかしむかしあるところに、死体がありました。
2019年4月24日
まもなくGWですね。
今年のGWは10連休ありますので
普段本を読まない方でも何か1冊、本を読んでみませんか?
でも、読書は苦手…という方におすすめなのは短編集です。
まず、なんといっても1つの作品が短いので読みやすい!
長編の場合、途中まで読んで後日、続きを読もうとしても
あれ、そもそもどんな話だったけ?とまた最初から読み始めて、
そのうちもういいや、となることもありますが、
短編だったら短いので読み切ることができます。
また、作品を読み終えた!という達成感を得やすいのも魅力かなと思います。
今日ご紹介する短編集も
あまり読書が好きでない方はもちろん、
時間が無いけど何か本を読みたいという方にもおすすめです。
だって誰もが知っている物語をアレンジしている本なのですもの。
登場人物や設定などのベースがわかっていると読みやすくないですか?
今日ご紹介する本はこちら。
『むかしむかしあるところに、死体がありました。
/青柳碧人(あおやぎ・あいと)<双葉社>』
本屋さんで本を選んでいる時に、
人気イラストレーター五月女ケイ子(そおとめ・けいこ)さんの
シュールなタッチで描かれた桃太郎や鬼の絵が目に飛び込んできて
思わず手に取ってしまいました。
本の帯には「昔ばなし×ミステリ」とあります。
『むかしむかし〜』は、
「浦島太郎」や「桃太郎」といったおなじみの「日本昔ばなし」に
ミステリ要素が加わった短編集です。
お話のタイトルも変わっています。
「浦島太郎」は「密室龍宮城」に
「桃太郎」は「絶海の鬼ヶ島」になっています。
ちなみに、一寸法師、花咲か爺さん、鶴の恩返し、浦島太郎、桃太郎
の5つが新しいお話に生まれ変わっています。
例えば、桃太郎がベースの「絶海の鬼ヶ島」は、鬼目線で物語が進んでいきます。
鬼ヶ島では過去に桃太郎に退治されずにすんだ鬼たちがひっそりと暮らしていました。
桃太郎のことを知るのは長老の鬼のみ。
若い鬼たちにとって桃太郎はすでに過去の人でした。
そんなある日、鬼ヶ島の鬼たちが次々に殺されます。
遠い昔、キジや猿たちに殺されたのと同じような殺され方で。
もしやまたあの桃太郎たちがやってきたのか…。
鬼たちを殺したのはいったい誰なのか?
というような感じで描かれていきます。
***
私はこの本を読んで
2017年の気まぐれな朗読会の時に披露した
星新一さんの『未来いそっぷ』を思い出しました。
●朗読会の報告は コチラ
『未来いそっぷ』は星さんのアレンジが加わったイソップ物語です。
例えば、アリとキリギリスなんて
働き者のアリより遊んでばかりのキリギリスのほうが
魅力的に見える描き方をしています。
もしよければ、『むかしむかしあるところに、死体が〜』の本と合わせて
星新一さんの『未来いそっぷ』も読んでみてください。
どちらもおなじみのベースの物語をそれぞれアレンジしたものなので、
きっと豊かな読書時間を過ごせると思います!
それから頭が柔軟になるかも。