インソムニア
2019年3月20日
今日のキノコレ(grace内コーナー13時45分頃〜)で
紀伊國屋書店富山店の奥野さんからご紹介いただく本は、
富山出身の作家、辻寛之(つじ・ひろゆき)さんの
小説『インソムニア(光文社)』です。
奥野さんが本について詳しく紹介していますので、
ぜひ コチラ をお読みください。
私もこの本を読みましたので、軽く感想を。
この本は第22回 日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞した作品です。
選考委員をつとめた篠田節子さんは「テーマ、プロット、創作姿勢、すべて良し」、
朱川湊人さんは「深いリアリティーと迫力でぐいぐい読ませる作品」と絶賛しています。
物語は、アフリカに派遣されたPKO部隊の陸上自衛官七名のうち
一人が現地で死亡し、一人は帰国後自殺したことで、
メンタルヘルス官の男性が精神科医の女医と共に
残された隊員五名の心のケアをおこなっていくというものです。
ただ、現地で起きたことについての証言は全員食い違っており、
何かを隠している。。。と思った二人は、
PKO部隊の派遣先でいったい何がおこったのか調べ始めます。
フィクションですが、リアリティーがあって
まるでノンフィクションを読んでいるかのような錯覚に陥りました。
アフリカから帰ってきた隊員たちが眠れない夜を過ごしている
その理由を知りたいと思うのと同時に
踏み込んだら嫌な気持ちになりそうな気もして、
読みたい。いや、こわい。どうしよう?
といった相反する気持ちで本のページをめくっていきました。
独特な緊張感がありました。
いやあ、ほんとすごい世界でした。
ぜひあなたも本のページをめくりながら
スリリングな世界を味わってみてください。
それから、著者の辻さんは富山出身ということで
富山の食べもの&飲み物が出てきますので、
きっと富山の方はニヤニヤしてしまうと思います。