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はつ恋

2018年12月12日

あなたの「初恋」はいつでしょうか。

子どもの頃、あるいは、中学生くらいでしょうか。
でも、本当に人を好きになったのは大人になってから、
という方もいらっしゃるのでは?

今日ご紹介する本は、アラフィフ二人の「初恋」物語です。

『はつ恋/村山由佳(ポプラ社)』

主人公は、小説家のハナさん。
年齢は、アラフィフです。
千葉の海の近くの日本家屋に猫ととも暮らしています。ハナさんは、2度の離婚を経て、
今は、子どもの頃の幼馴染の少し年下の彼氏と遠距離恋愛をしています。
ちなみに、ハナさんに子どもはいません。

ちなみに、この年下の彼氏さん、名をトキオと言います。

トキオも以前、結婚していて、
大阪で19歳の娘と70代の母親と暮らしています。

ハナとトキオは、子どもの頃、お隣さんだったので、
お互いの親のことも知っているし、
もちろん親のほうも子どもたちのことを知っています。

二人は、子どもの頃、ほんとうの姉と弟のように育ったのでした。

しかし、その後、二人は離れ離れになり、なんと38年ぶりに再会します。
アラフィフになって再会した二人は、付き合い始めます。

そして、ハナは思うのです。
「どんな自分を見せても大丈夫って思える。こんなの初めて」と。
つまり、自分にとっての初恋は今だと。

これまで2回結婚しているし、他にも恋人はいたハナでしたが、
それらすべてとは違う思いでトキオのことを思っていました。

『はつ恋』は、そんな二人の物語です。

アラフィフの恋と言うと、皆さん、どんな恋を想像するでしょうか。
この本を読む限り、私は、若い人たちの物語とそんなに変わらないなと思いました。
二人でいる時の会話なんて、20代だと言ってもいいくらいのはしゃぎっぷりですし。(笑)

実際、ハナさんは「恋に適齢期はない。落ちてしまえば、それが答えだ」と言っています。

でも、どんなに浮かれていても、醸し出す空気は、やはり大人です。
だから、読んでいても疲れません。(笑)

どちらかというと、癒されるほどです。
というのも、この物語には季節のお花がたくさん出てくるのです。

物語もそれぞれの章が「卯月」「皐月」など、旧暦になっていますし、
ハナさんの家の庭で咲いた、それぞれの季節のお花が登場します。

また、ハナさんはとても豊かな生活を送っています。
たとえば、道具や食器や洋服は、自分が本当にいいと思うものを選んでいます。
そして、それらを出し惜しみしないようにしています。

私もここ数年でやっとその思いに至りまして、
ハナさんと同じように、いいものを出し惜しみせず、
普段づかいするようにしています。
もったいないからとずっと使わない方がもったいないと気付いたのです。

この小説は、恋愛小説として楽しめるだけでなく、
豊かな生活を送るためのヒントもつまっていました。

例えば、花瓶など無くても、どんなものでも花器になると。
これは、すぐにでも実践しようと思いました。

本当に素敵な一冊でした。
読んでよかった。
いい時間を過ごせました。

そうそう!
ハナさんは、子どもの頃に「初恋」だと思ったものは、
「○○○恋だった」と別の表現をしています。

気になる方は、是非本のページをめくってみてください。

クリスマスまでもう2週間を切りました。
恋人がいない人もこの本を読むと、きっと恋をしたくなるはず!

特に、今、恋をしていない大人の皆さん、読んでみてください。

yukikotajima 12:11 pm